社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院は、医療、保健、介護を実践することにより地域社会、国際社会の健康の増進と福祉の充実に貢献することを使命として、全職員が24時間365日患者さんに向き合って努力しています。この病院で、後期研修医として学ぶべき事は沢山あります。医師としての仕事を通じて、社会に貢献することの重要さをしっかりと自覚し、自分達が選んだ診療科のプロフェッショナルに成る為の知識、技術、経験を積み重ね、同時に人間性を高める努力も行って、最短期間で認定医・専門医を取得して頂きたいと考えています。この病院で学ぶことは総てあなた方の財産であり、将来どこで仕事をするにしても医師としての自信の源になることは間違いありません。質の高い医療を提供し、地域医療に貢献できる医師を目指して、一緒に汗をながそうではありませんか。あなたが、私達の仲間になることを心から願っています。
平成21年4月1日
社会医療法人 雪の聖母会
聖マリア病院 病院長 島 弘志
当院は昭和28年に故井手一郎氏により開設された病院である。昭和30年代後半に救急車のたらい回し事件が頻発し、そんな状況を何とか変えなければという強い気持ちから昭和39年に福岡県の救急病院として指定を受け救急科に特化し、又、産婦人科・眼科・耳鼻いんこう科・皮膚科診療も開始、総合病院としての体制を整えて行った。昭和43年にはICU、未熟児センター、さらに救急医療センターを付設した本館病棟が完成。ここから聖マリア病院は急性期主体の体制が本格的に稼働してきた。このような歴史的背景より当院では救急医療を重視し「24時間、365日、いつでも応じる救急医療」をかかげ、その実践をおこなっている。救急医療をおこなうためにはより多く遭遇するCommon Diseaseに対して正確に対応できる能力が必要であるが、総合診療医だけでも救急における治療は完結できず、より高度な、より専門的な治療を行わなければならない。このため、当院では地域医療に貢献すべくプライマリケアを重視した基本的総合的な医療の修練を中心とした教育と、より高度な専門的診療技術の探求の双方をバランスよく行っていくための後期研修を確立すべく専修医部会にてさまざまな角度から議論を重ね行ってきた。
診療理念を「地域医療に貢献すべくプライマリケアを重視した基本的総合的な医療の修練とより高度な専門的診療技術の探求」とし、真に患者本位の医療を展開することにより質の高いサービスの提供に的をしぼった。このことはひいては、患者満足度を十分に上げることに繋がると考えるのである。そのためには、まずプライマリケアを軸とした基本的総合的診療の実践が何ら抵抗無くできると言うこと、地域医療をよく理解し、関連の医師との密な連携によって診療を行うこと、スキルの向上に励み、より高度な診療技術を身につけることである。また、患者を治療すると言うことは単に病気を治すことだけに留まらず、全人的なアプローチも必要とすることから診療技術のみでなく人格の涵養も身につけるように努力し、患者からの真の信頼を得る人格になることが必要である。このような事の実践の積み重ねによって後期研修医が聖マリア病院で訓練を受けたことを誇れる医師となることができればとの願いである。
聖マリア病院における専修医とは認定医・専門医取得のための修練医である。
初期研修終了後、卒後3年から6年次終了までに相当する。
消化器内科・呼吸器内科・血液内科・脳血管内科・循環器内科・糖尿病内分泌内科・腎臓内科・リウマチ膠原病内科
消化器外科・呼吸器外科・心臓血管外科・小児外科
外科系診療分野の専門的な知識・技術を学ぶプログラムである。外科を志す医師においては患者の全身的な管理を行うために必要な知識をえるため最初の2年間のうち1年間はプライマリーコースとして麻酔科および救急科にてプライマリケアの実践を行い修得する。その後、外科専門医を目指し外科系診療科をローテートする。後期研修期間は原則として4年間である。
救急科・麻酔科・産婦人科・整形外科・脳神経外科・小児科等
※専修医は希望により研修中に以下のプログラムを組み込むことが可能である。
後期研修は、単に臨床経験を積むだけであってはならない。様々な視点から物事を考え深く洞察していく必要がある。また、各自が理論的に考察し、新たな情報を取得、その情報を選択し必要な情報を抜き出す能力を養わなければ医師として生きていくことは不可能な時代となっている。このためには様々な形の研修が必要であり、また、研究を行い学会発表、論文作成などが可能な能力を身につけなければならない。
地域医療の実践のためには現在の地方の医療現場の実態を把握する必要がある。現在、僻地及び離島の医療現場における医療崩壊は深刻な問題であり日本の医療の克服するべき課題である。このため、僻地及び離島における現場を十分に知っておく必要があると考える。ただし、十分な力量を持っていない後期研修医を本来の意味の僻地及び離島へ派遣することは危険を伴う。
五島聖マリア病院は比較的アクセスのよい場所に位置し、指導者となる医師も充実している。このため、日本の地方の医療実態を知るうえで最適の施設と考えられる。ここで、3ヶ月から1年の間研修するコースである。また、五島聖マリア病院での研修は内科認定医の年限として算定可能である。
医師として全国的な、または全世界的なスタンダードを知ることは極めて重要である。聖マリア病院のみに留まっていてはそれを十分に吸収することはできない。このため、他の病院へ移動し、より専門性の高い技術を習得した後当院へ戻ってくることを可能としている。その間の身分は休職とする。他院への武者修行を希望する者のために、当院ではVHJ加盟病院間での専修医の修練のプログラムや九州大学内科系広域専門医研修圏に加盟している。
1980年より聖マリア病院は国際協力として開発途上国に医師を含めた職員を派遣してきた。途上国からのメディカル、コメディカルスタッフを積極的に受け入れ多大な貢献を行ってきた。今後も同様の貢献が予定されている。プライマリーコースの研修終了後、救急科などに配属の上、希望者は派遣の機会を待つことになる。
専門家派遣は1984年JICAの要請により、エジプトカイロ大学小児病院プロジェクトへ看護技術専門家を派遣して以来、技術指導・開発調査・評価専門家として聖マリア病院、関連施設である聖マリア学院、財団法人福岡県すこやか健康事業団から延べ、264名の職員を開発途上国に派遣している。現在はマラウイ、ザンビア(アフリカ)、インドネシア(東南アジア)、ボリヴィア(南米)において、医療、公衆衛生関係プロジェクトを実施している。
災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team、通称DMAT)とは医師、看護師、救急救命士、事務官などで構成され、大規模災害や事故などの現場に急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである。当院は、福岡県DMATとして認定されている。
| 派遣国 | 年月 | 災害名 | 協力団体 | 派遣職員 ()内は人数 |
|---|---|---|---|---|
| タイ | 2005年2月 | 津波災害 | ISAPH | 看護師(1) |
| ラオス | 2005年9月 | カムアン県水害 | ISAPH | 看護師(1) |
| パキスタン | 2005年10月 | 地震災害 | ISAPH | 医師(2) 看護師(1) |
| パキスタン | 2005年11月 | 地震災害 | ISAPH | 医師(1) 助産師(1) 看護師(1) 臨床検査技師(1) |
| インドネシア | 2006年5月 | ジャワ島中部地震 | ISAPH | 医師(2) 看護師(1) |
| インドネシア | 2006年5月 | ジャワ島中部地震 | JICA | 臨床検査技師(1) |
| 中国 | 2008年5月 | 西部大地震 | JICA | 臨床検査技師(1) |
| ミャンマー | 2008年5月 | サイクロン被害 | JICA | 医師(1) |
臨床医においても研究を行うことは科学的思考を養うにおいて非常に重要である。当院において研究、学会での発表、論文作成は必須のことであると考え、発表者には学会への旅費その他の交通費の支給など便宜をはかっている。また、ACLSやPULSEなどの医師としてなすべき必要な講習会の参加についても支援を行っている。以下に当院における専修医の業績をあげる。
1.S.Sagara1, K.Sadamatsu2, Y.Isa1, K.Nagaoka1, T.Shikada1, K.Ooe1, K.Morishige1, E.Tanaka1, T.Yamawaki1, Y.Ishibashi1, H.Tashiro1:Preventive Effect of N-Acety1cysteine to Contrast-Induced Nephropathy in Elective Coronary Intervention. Angioplasty summit TCT asia pacific 2008, Seoul, Korea, April 23-25,2008
2.K.Nagaoka, K.Sadamatsu, T.Yamawaki, H.Tashiro :Fibrin Degeneration Products in Acute Aortic Dissection. The European Atherosclerosis Society 77th Congress, Istanbul, Turkey. April 23-25,2008
(2008年度専修医実績:15題学会発表)
科学的に思考すると言うことは医師にとって非常に重要なスキルである。それは一朝一夕に得られる能力でなく訓練を要する。聖マリア病院にての研修でも得ることはできなくはないが、かなり努力を要する。大学院などに入学して学位取得を目指すことは比較的容易にそのスキルを得るひとつの手段である。身分を休職のまま大学院に入学、学位取得後、復職を可能としている。
当院での研修はプライマリケアの実践に重きを置いている。このため基本的に卒後3年目から2年間は、各科当直は行わずERの当直を行いプライマリケアの実践を行っている。屋根瓦方式の教育方法で専修医には初期研修医1年目、2年目の教育も担っていただく方針である。
聖マリア病院 医師臨床・教育本部
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