研修科目のご案内
形成外科
科の概要
形成外科は主として身体外表の先天異常や外傷、熱傷、腫瘍切除後の変形・欠損創、加齢などによる外表の異常を対象として、形態や機能のみならず心像をも正常な状態に修復・再建することを目的とした診療科です。当科では形成外科全般にわたり診療していますが、当院には新生児センターがあるため、先天性の形態異常(唇顎口蓋裂、頭蓋顔面骨変形、手指変形など)を非常に多く取り扱っているのが特徴の一つです。当科には口唇裂口蓋裂センターが併設されており、新生児科、耳鼻科、小児歯科、矯正歯科、麻酔科、言語治療科、臨床心理科などによるチーム医療を1986年から発足しております。そして、口唇口蓋裂で有名な昭和大学形成外科より教授、助教授の診療も定期的に行われています。また、近年トピックとなっている頭蓋顔面外科領域への骨延長術をいち早く取り入れ、頭蓋顔面骨の先天異常患者(クルーゾン病、アペール症候群、斜頭頭蓋など)や唇顎口蓋裂、さらには外傷による顎変形症の患者に対して最先端の骨延長術による治療を行い、この2年間、西日本一の症例数と成績を誇っています。頭蓋骨領域(狭頭症など)では脳神経外科と協力した診療・手術を行っています。
その他の先天異常についてですが、小耳症に関しては、その分野での権威である昭和大学形成外科教授保阪善昭教授に診療を依頼し、また、漏斗胸に関しては、最新の非侵襲的手術であるNuss法を胸部外科の協力のもと、胸腔鏡下に行い、非常に良い成績を得ています。一方、当院が24時間受け入れ可能な救急病院である性質から種々の外傷も多数取り扱っています。交通外傷等による顔面骨骨折は数多く、特に上・下顎骨骨折では歯科・口腔外科、矯正歯科と連携した治療・咬合訓練を行っています。切断指の症例も多く手術用顕微鏡を用いた再接着術は高い生着率を得ています。熱傷に関しては、熱傷センターがICUに併設されており、重症熱傷患者の管理、治療に当たっています。皮膚腫瘍の多くは外来局所麻酔で行っています。
得意とする専門分野
- 口唇口蓋裂は口唇の初回手術を生後3カ月、口蓋裂閉鎖を1歳で行い、成長に応じた治療が必要で、数回の手術を要します。
- 頭蓋顎顔面骨変形に対しては、最先端の技術と装置を用いた骨延長術による治療を行っています。
- 顔面骨骨折手術は症例によっては手術痕のわからない術式を選択しています。一般にはチタン製プレートが用いられていますが、最近では抜去不要な吸収性ミニプレートも用いています。
- 手足の先天異常・外傷の手術では労災事故、農業外傷による手指の切断が多く、積極的に再接着を行っています。術後は整形外科、リハビリ科と協力して機能回復に力を入れています。
- 種々の原因で起こる潰瘍・褥瘡(とこずれ)の手術には種々の皮弁・筋皮弁術を用いています。
- 組織欠損には植皮術のみならず、手術用顕微鏡を用いた遊離組織移植術を積極的に行っています。
スタッフ紹介
臨床部長:雑賀 厚臣、医員:4名
研修到達目標
GIO(一般目標)
外科的診療科の中での形成外科の役割、ひいては医療の中に於る形成外科の役割を理解する、形成外科の3大対象疾患群(外傷、先天異常、腫瘍再建)を理解する、形成外科の診療分野・対象疾患を理解する。
SBO(個別到達目標)
- 形成外科的基本事項を理解してもらう
- 形成外科で研修を受けたことが将来役立つ基本的な考え方、基本的手技を習得してもらう
- 形成外科の3大対象疾患のうち外傷、特に当院では顔面外傷、皮膚欠損、熱傷等が対象になると思われる。以下の4つの基本的項目を習得することを目標とする。
- 挫傷、切創の処置:真皮縫合と皮膚縫合
- 顔面外傷:レントゲン写真・CTの読影、顔面の縫合処置の原則、顔面骨骨折の対応と入院後の手術計画
- 皮膚欠損:一時的縫縮、創傷被覆材の適応、植皮の選択(分層植皮・全層植皮)
- 熱傷:小範囲の浅い熱傷処置の軟膏療法、深い熱傷の処置、全身熱傷、気道熱傷の診断と対応
- 医師・患者関係の確立:患者の対応、初診の取り方、診察の仕方、一般検査オーダーの書き方を習得することができる
- 形成外科総論:読破すべき本:標準形成外科学(参考書)の内容を把握できた
- 形成外科特殊検査:顔面骨骨折のレントゲンの読影ができる、形成外科特殊機器(形成基本セット・植皮セット・顔面骨セット・マイクロセット等)の使い方を理解し使用できる、形成外科特殊材料としての縫合糸各種の使い分け・創傷被覆材の種類と使い方を理解し、使用できる、形成外科特殊材料としての縫合糸各種の使い分け・創傷被覆材の種類と使い方を理解し、使用できる
- 形成外科的手技としての処置:各種縫合法、抜糸及び抜糸後の処置、簡単な切除と縫合、やけどの処置、切断指の初期処置、創傷治療の基礎的処置、救急外来での創処置