研修科目のご案内

新生児科

科の概要

  1. 新生児の地域医療システム化(Regionalization)の確立:『地域で生まれた新生児が、治療を受けられずに死んでいく事がないように』が、フィロソフィーで、《入院依頼があったら絶対に断らない》をポリシーとして地域医療を確立しています。
  2. 世界最大の新生児センターと集中治療: 110床のベッド数と内30床のNICU(新生児集中治療室)を有し、各種疾患全ての病態に対しての緊急治療体制を確立し、集中治療を含め外国とは韓国忠南大学の研修医教育にも力を注いでいます。
  3. 対象となる児:出生から生後1ヶ月までの新生児期にある児は疾患の内容を問わず、全て治療および入院ケアの対象となります。 疾患は多岐に渡り、外科疾患、内科疾患を問わず、心疾患、消化器、脳外科をはじめ感染症、奇形などバラエティに富み、内容も全人的なケアを目的としています。比率的には低出生体重児(2500g未満)が約5割を占めます。また、受け入れのみでなく、産科の分娩立会いにも出かけます。退院児には訪問看護も含め学童期に至るまでの長期的発達フォローアップを行っています。4)研究、教育部門:WHO、ユニセフによるBaby Friendly Hospital(赤ちゃんに優しい病院)の認定を受け、母乳育児を中心に啓蒙、育児支援活動も行います。WHOからは新生児医療におけるWHO研究協力センターの認定を受け、世界に向けての情報伝達、吸収および研究を行っています。

得意とする専門分野

  • 新生児期の疾患全ての分野(ただし白血病、悪性腫瘍は大学へ分担搬送)
  • 新生児外科、脳外科領域における術前・術後を通じての呼吸管理を含めた包括的ケア
  • 大きな特徴は、ただ単に生命を救うという緊急的なものだけでなく、保母・保育士・保健婦なども含めて多くのコメディカルを擁し、新生児の良好なQOLへ向けての情緒発達の援助をしていることです。例えば、親と子が参加するリトミック教室(音楽療法)や極低出生体重児への早期療育介入(ティーニ・エンゼル)、親と臨床心理士との話し合い(サロン・ド・ファミーユ)などを定期的に開催しています
  • 社会に対応すべく、《育児療養科》という部門を開設し、育児不安や育児支援などにも力を注いで、年2回の育児支援研究会を開催し、人間の出発点としての全人的なケアをしています

スタッフ紹介

診療部長:久野 正、医員:3名

研修到達目標

GIO(一般目標)

  1. 医療を受けられずに死んでゆくような新生児がこの地域にあってはならない。地域社会医学における地域医療システムの確立とその重要性を理解し、実践する。
  2. 育児支援を含めたトータルケア(総合医療)を目指し実践する。
  3. 学問よりもいかに病める児を持つ家族と接するかを学ぶ。
  4. 救急を要する病態の判断力を養う。
  5. 積極性をもって自発学習の精神を養う。
  6. 医療のすべてに責任感を持つ。
  7. 本を読み、そして批判し創造する。

SBO(個別到達目標)

正常新生児の観察とケアができる、母乳育児を含めた育児支援ができる、産科的な状態とその合併症を知りプレネイタルビジットができる、新生児の生理、解剖について理解し、起こりうる危険な状態を把握する、分娩の生理的意識を理解しその介助ができる、未熟児の特性とハンディキャップを理解する、新生児の検査ができ、正常と異常の鑑別ができる、各種救急の処置手順が正確にできる(Bagging、挿管、血管確保、人工換気、搬送など)、ハイリスク児を理解し、長期の危険性を評価し、神経学的発達のフォローができる、胎児・新生児の生命倫理について考え意見を述べることができる。

  1. 分娩立会い、搬送:経膣分娩、帝王切開分娩の立会いができる(出生の背景に応じた対応の技術を習得する)、分娩時の仮死蘇生処置ができる(限られた条件の中での対応技術を習得する)、児の状態を保った搬送(体温、呼吸、他)ができる
  2. 新生児の基本的知識と技術の獲得:AFD,SFD,HFDなどの言葉の定義とそれぞれの特徴を理解する、新生児、未熟児の母乳栄養の意義を理解し実践できる、水分必要量、栄養所要量、発育曲線などの意義を理解する、新生児の血管確保、採血ができる、心拍数、呼吸数、血圧、尿量など正常の病態生理を理解する、血液ガス所見の評価ができる、呼吸心拍モニター、SaO2、tcPO2などのモニタリングができる、APR,マイクロバブルテストなど簡単な検査技術を習得する、新生児のマススクリーニングを理解する、頭部エコー、心エコーなどによる基本的断面の描出ができる
  3. 未熟児(低出生体重児)の取り扱い方:未熟児出生に至る状況を把握し、患者ごとの問題点が理解できる、体温管理とクベース温設定を理解、実施できる、低出生体重児・早産児の栄養、水分管理ができる、低血糖症、低Ca血症、高ビリルビン血症等の病態、症状、治療を理解する、日常的な患者観察のポイントを把握する
  4. 奇形、先天異常疾患:奇形徴候のチェックの仕方を理解する、ダウン症候群、18トリソミー症候群、13トリソミー症候群の診断と治療ができる
  5. 神経:正常新生児の精神運動発達の見方を理解する
  6. 呼吸器疾患:正常の呼吸生理と異常呼吸状態(陥没呼吸、呻吟、多呼吸)の病態を理解する、新生児特有の呼吸器疾患(RDS,MAS,PPHN,TTN,他)の病態を理解し治療ができる
  7. 心疾患:病歴、聴診、触診から、心疾患の存在を疑い初期治療ができる、心雑音、心電図、胸部X線写真、などから心疾患の鑑別ができる
  8. 新生児貧血、出血性疾患:急性出血性疾患の診断と出血の程度、及び輸血の必要性の緊急度判断などの評価ができる(帽状腱膜下出血、頭蓋内出血、真性メレナ、Feto-maternal transfusion)
  9. 感染症:新生児の主な感染症を理解する。(髄膜炎、肺炎、敗血症、蜂窩織炎他)
  10. 外科疾患:鎖肛、食道閉鎖、小腸閉鎖、腸回転異常、ヒルシュスプリング症、横隔膜ヘルニアなどの外科疾患を診断できる