研修科目のご案内

小児科

科の概要

聖マリア病院小児科は、開業医の先生方、久留米大学病院、久留米大学医療センターをはじめ地域病院の諸先生方と連携して、筑後地区の中核病院として地域の小児医療全体を支える、地域小児総合病院構想を確立することを目指しております。少子化時代の現在、子どもの病気も様変わりしてきております。風邪や喘息など従来の急性疾患のみならず、最近は小児虐待,不登校,思春期病の低年齢化など、従来の診療体制では対応が難しい疾患が急激に増えてきております。また、核家族化や共働き家庭の増加に伴い、時間外診療,24時間通常診療は社会の要請となってきております。このような疾患内容の変化、社会事業の変化を考慮せず、一医療機関で何でも引き受けようとしても無理がありますし、それよりも地域の医療機関が密に連携して、地域全体でその地域の子どもたちの健全な発育を支える体制を構築した方が、地域小児医療をより効果的なものにできると考えます。開業医の先生方を外来部門、われわれ聖マリア病院を含む地域病院を入院病床ととらえ、更に大学病院とそれ以外の病院を、2次医療、3次医療といった疾患内容で連携していくような体制を構築していくことを目指しています。また、あらゆる情報がコンピューター情報化されてきておりますが、このような時代の流れの中では、地域内にどれだけ有効な情報体制を確立できるかも、将来の地域医療の室を決める重要な要素になってくるものと考えられます。患者のプライバシーを守りつつも、患者移動に伴って情報も迅速に移動するような体制を確立する事が必要になりますが、開業医、病院を含めたすべての地域内医療機関の間で患者の情報がやり取りされるようになれば、地域の小児の健康履歴が把握できるようになっていきます。聖マリア病院では、現在徐々にコンピューターシステムの導入を進めている最中であり、まだハード整備の段階ですが、ハードが整ってくればe-mailでの情報交換や討論も可能になってくると思いますし、その方向に向けた整備が必要と思います。このような、域内の医療機関全体が連携して治療に携わる地域は先例がなく、他の地域の医療に対するモデルになれるのではないかと考えます。地域連携の先生方との更に密な関係を構築していきたいと考えております。

得意とする専門分野

常勤医は救急医療、循環器、消化器、心身症、小児虐待を専門としています。非常勤医によって、神経、アレルギー、腎臓疾患をカバーしています。

スタッフ紹介

副院長:大部 敬三、診療部長:秋田 幸大、医員:10名

研修到達目標

GIO(一般目標)

小児科では対象年齢が新生児から15歳までの中であれば全ての疾患(但し、事故を除く)が対象となる。外科疾患であっても窓口は小児科となる事が多い。小児科研修では、

  1. 年齢に応じた正常の小児の発達
  2. 年齢に応じた疾患の違い
  3. 主訴と診療所見からの考えられる疾患の絞り込み
  4. 小児の救急疾患の病態把握

など、小児領域の総論的な内容に焦点を当てて習得することを目標とする。

SBO(個別到達目標)

年齢に応じた正常の小児の発達を理解する、身長、体重の変化、エネルギーや水分率の考え方、精神運動発達、先天性疾患、年齢に伴う身体の変化、年齢に応じた疾患の違いを理解する、新生児先天性疾患、麻疹、百日咳、腸重積、水痘、風疹、ムンプス、HUS、マイコプラズマ肺炎

  1. 血液・免疫:末梢血検査の正常値が分かる、末梢血像・骨髄像が読める、貧血の鑑別ができる、免疫不全症候群のための検査法ができる
  2. 心疾患:病歴・聴診・触診から、心不全の有無をチェックし初期対応ができる、チアノーゼ型心臓病について、心電図、胸部レントゲン写真、聴診から緊急処置の必要性の有無を診断できる
  3. 内分泌・代謝:2次性徴の正確な評価ができる、小奇形の正確な評価ができる、基本的な内分泌系・代謝系の臨床検査の施行及び評価ができる
  4. 消化器:一般的消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢など)の診断、適切な鎮吐剤、止痢剤の投与、輸血の必要性の有無などの判断ができる、新生児期から年長児の急性腹症の診断ができ、外科に送る疾患かどうかの判断ができる、腹部単純X線・腹部CT・腹部MRI・腹部超音波の読影ができる、胃洗浄、高圧浣腸、直腸診が行える
  5. 神経:小児について神経学的評価が正しくできる、小児期の正常発達について理解し、発達の評価ができる、痙攣重積の患者に対して正確で迅速な対処ができる
  6. 腎:腎機能を把握できる、尿検査ができる、脱水と電解質異常の体液管理ができる、血液ガス所見の評価ができる
  7. アレルギー:アレルギー疾患の患者より適切な病歴(現病歴、家族歴、既往歴)の聴取を行うことができる、喘息の原因としての抗原(ダニ、カビ、動物、他)に対する環境整備の実施法について具体的に患者を指導することができる、喘息発作の重傷度を診断して、適切な救急処置を行うことができる
  8. 感染症:小児の紅い発疹を呈する疾患を列挙できる、小児の水疱を形成する発疹症を列挙し適切な治療を行うことができる、小児期の感染症に対する主な薬剤について理解し、使用することができる