1. 年齢階級別退院患者数
2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
5. 脳梗塞のICD10別患者数等
6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
7. その他(ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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　当院は地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、また地域の災害拠点病院等の指定を受け、地域医療の中核として近隣の医院、病院と連携した保健・医療・福祉の包括体制を推進するとともに、医療の継続性を重視したケアミックス体制を確立し、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しております。
　平成27年度に当院の一般病棟を退院された患者さんの年連階級別の(10歳刻み)患者数です。
　全退院患者数は、15,661名で、平均年齢は50.2歳、0~9歳の階級の患者さんが一番多く入院されており、地域の小児医療を担うよう努めております。また、60歳以上の患者さんの割合は全体の約50％を占めており、地域社会の高齢化にも対応しております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

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消化器内科

　当院消化器内科の特徴は、消化器疾患に対する様々な内視鏡を用いた検査や治療のほとんどを行えることです。中でも、胃・大腸の腫瘍性病変をはじめとした消化管腫瘍性病変の内視鏡的治療は年間約500件、特に大腸ポリープといわれるような大腸の腫瘍性病変に対して年間約400件の内視鏡下摘除を行っています。通常は2泊3日程度の入院の上での治療を行っており、病変が小さな場合には外来での日帰り治療も行っています。また2cmを超えるような大きな病変に対しては粘膜下層剥離術という手法を用いて内視鏡下に治療を行うことが可能です。また、救急搬送される患者さんが多いことも当科の特徴です。その中でも胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室などをはじめとした消化管出血や胆石・胆のう炎、胆管結石に伴う胆管炎などの患者さんが多く搬送されます。ここでも内視鏡の果たす役割は大きく、消化管出血の患者さんに対する内視鏡的止血術や、胆管結石に伴う胆管炎の患者さんに対する内視鏡を用いた採石や胆管ドレナージ術などを行っています。

血液内科

　1）急性白血病は重症の血液がんですが、当科では多剤併用化学療法を行い治療を行っています。治りにくい患者さんや再発した患者さんに対して、可能な場合には血縁の方、もしくは骨髄バンクまたは臍帯血バンクから造血幹細胞の提供を受け造血幹細胞移植治療を行っています。2）Ｂ細胞性非ホジキンリンパ腫は主にリツキサンを併用した抗がん剤治療を行い、必要に応じて自家末梢血幹細胞移植を行っています。低悪性度のリンパ腫で特にご高齢であったり再発した症例ではゼヴァリン（放射免疫療法）も行うことがあります。また、その他のリンパ腫に対してはポテリジオやアドセトリス等の抗体療法も応用しています。3）骨髄異形成症候群はご高齢の方に多い病気ですが、可能な症例には同種造血幹細胞移植を積極的に行います。比較的体力のない方やご高齢の方にはビダーザ治療を積極的に行い、治療成績を上げています。

呼吸器内科

　呼吸器内科は肺疾患に対する診療科です。当院では肺の感染症（肺炎・気管支炎）の患者様が最も多く、次に手術や放射線治療は行わず、化学療法を受けられる肺がんの患者様が多いです。３番目は誤嚥性肺炎の患者様となります。いずれも平均年齢が65歳以上の高齢者の患者様が多く占めており、現在の高齢化社会のニーズに対応した診療を行っています。また当院は救急救命医療が診療の大きな柱であり、積極的に重症呼吸不全に陥った患者様の受け入れを行っています。そのため呼吸・循環をはじめとした、全身管理（ICU管理）にも力を注いでいます。

脳血管内科

　国内の高齢人口の増加に伴って高齢者の脳梗塞、てんかんが増加しています。てんかんはその多くが陳旧性の脳梗塞やアルツハイマー病を背景として起こる症候性（二次性）てんかんです。当院は、突然発症するこれらの患者様を、365日・24時間対応で受け入れ救急治療を行っています。

循環器内科

　現在、できるだけ不必要な入院をへらすように努力しています。どの項目も、ほぼ全国平均に近いかそれ以下の水準で退院できていると考えています。長くなりがちな心不全の患者に関しては医師のカンファレンスとは別に病棟内での多職種のカンファレンスを行い、遅滞なく治療が行う事ができるように努力しています。

小児科

　当院小児科は24時間365日 小児救急診療を断らない方針にて、救急疾患の代表である肺炎などの呼吸器感染症、アレルギー疾患である気管支喘息、また 救急車での搬入される熱性けいれんで入院患者の約半数以上を占めています。呼吸器疾患においてはマイコプラズマ肺炎などの間質性肺炎やRSウイルス細気管支炎などの患児の入院が多く、ステロイド投与が必要になる重症例が入院しました。また,気管支喘息に関しては発作程度としては中～大発作のβ2刺激薬吸入の反復やステロイド薬静注にても改善が乏しい症例が入院加療となり、イソプロテレノール持続吸入療法を行うため全国よりも平均在院日数が長くなっていると考えます。当院は小児での救急車搬入件数は年間1, 200件を超え、代表疾患である熱性けいれんの入院が多く、けいれん重積の場合は二相性脳症に移行しないか慎重に経過観察を行っています。

小児循環器内科

　生まれつきの心臓病（先天性心臓病）の手術前、手術後の子供たちや、生まれた後でかかる病気（後天性心臓病）である川崎病後心後遺症、不整脈、心筋疾患の子供たちを診療しています。また、当院は30年以上前から先天性心臓病の手術を行っているため、成人になった先天性心臓病の方たちのフォローアップなども行っています。外来受診者数は2015年は2860人と増加し、成人先天性心疾患の患者様も多くなってきたため、本年より循環器内科の先生方と協力し成人先天性外来を開設しました。入院では先天性心臓病の術前カテーテル検査、カテーテル治療、心臓手術前や手術後の子供たちの管理を新生児科・心臓血管外科・麻酔科・小児科・産婦人科と協力して行っています。昨年は成人先天性を含めた開心術52例（心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症、房室中隔欠損症、Ebstein奇形、グレン手術、フォンタン手術など）を含めた先天性心臓病手術67例の術後管理を行いました。外来通院からカテーテル検査・治療、術前・術後管理、外来フォローまで責任をもって治療を行い、出来るだけお待たせしないような治療・手術計画を立てるようにしています。

新生児科

　最も多い症例は、出生体重2,500ｇ以上の新生児です。手術や中心静脈栄養を必要としない呼吸障害、循環障害など適応障害のほか、感染症を含みます。出生体重1,500g以上2,500g未満の症例が次に多く、手術や中心静脈栄養を必要としない呼吸障害、循環障害など適応障害のほか、感染症を含みます。3番目に多いのは出生体重1,500g以上2,500g未満の症例で、中心静脈栄養を必要とする消化管疾患のほか、呼吸障害、循環障害など適応障害のほか、感染症を含みます。

外科

　当院は、福岡県より指定された地域がん診療連携拠点病院で、外科では、悪性腫瘍に対する手術をはじめ、消化器・一般外科で、2015年度は、1,064件の手術を施行しました。当院は年間約10,000台の救急車を受け入れる救急病院で、外科手術の約35％は急患に対する緊急手術（消化管穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎など）です。悪性腫瘍は、消化器内科、放射線科、病理、外科の合同カンファランスにて、術前診断、及び治療を検討し、質の高い医療を提供できるよう努めています。肝癌（肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝癌）、胆道癌、膵癌に対しては、積極的に高難度手術を施行しています。大腸癌肝転移、進行胆道癌、進行膵癌に対しては、術前化学療法を併用して、癌遺残のない根治手術をめざします。近年は、患者さんにとって低侵襲な腹腔鏡手術が増加し、胃癌手術の約40％、大腸癌手術の約60％、胆嚢摘出術の約70％、虫垂切除術の約70％、へルニア手術の約50％を腹腔鏡手術で施行しています。

小児外科

　小児外科は主に手術治療を必要とする小児の診療を行っています。一般的に小児期に手術を行う疾患として最も多いのは鼡径ヘルニアです。当院でも鼡径ヘルニアの患者さんが多く来院されます。身体構造の違いから当院では腹腔鏡によるヘルニア手術は女児のみとしています。虫垂炎は一昔前は診断即手術という治療方針が一般的でしたが現在ではお薬などの進歩により炎症を一旦治めた後に待機的に腹腔鏡による虫垂切除を行う方針としています。これにより術後合併症の発症が格段に減少しました。

形成外科

　当院は口唇口蓋裂治療チームとして、口唇口蓋裂の治療を行っておりますので、口唇口蓋裂での入院がもっとも多くなっております。また、当院は救急救命センターとなっておりますので、顔面の外傷や熱傷などでの入院も大変多くなっております。このほかに、最近では眼瞼下垂での入院患者さんも増えてきております。

整形外科

　大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折は高齢者の3大骨折です。大腿骨近位部骨折は入院して手術を行う必要があります。早めに手術して歩行訓練などのリハビリを行います。骨粗鬆症の治療もいっしょに行います。脊椎圧迫骨折は変形しないように3か月間のコルセット装着を行います。原則はくコルセットで治療しますが、破壊が高度な場合や麻痺のある場合には手術治療を行うこともあります。橈骨遠位端骨折はギプス固定による治療を行いますが、破壊が高度な場合や関節内骨折は手術治療をおすすめします。当院は小児の骨折も多く来院されます。通常はギプス固定などの治療を行いますが、転位が大きい場合は手術を行います。小児骨折は骨癒合しやすい、変形が成長と共に改善する自家矯正などの特徴があります。しかし成長障害を起こすこともあるので、骨癒合した後も定期的に経過観察します。

呼吸器外科

　成長期の気胸と成人後の気胸（ほとんどはタバコが原因）では治療戦略を変えています。若者は、入試や修学旅行など、人生の貴重な時間を健やかに過ごせる様、迅速かつ最適な治療法を提案します。成人～老人の方には、禁煙指導を含め、生活習慣の見直しも含め、治療を行います。肺癌につきましては、安全かつ確実さを最重視した手術を短時間で終えるように心掛けています。

脳神経外科

　当院では年間約10000件の救急搬入があり、脳外科としてもやはり救急疾患がメインとなっています。特に頭部外傷と脳卒中が多く、中でもクモ膜下出血は毎年年間60件前後の搬入件数があり、九州圏内でも有数の症例数と思われます。また病院の特徴からも小児の脳卒中も多く、破裂の脳動静脈奇形やモヤモヤ病といった脳血管奇形や先天疾患も多く見られます。また最近ではこういった脳血管障害に対してのカテーテル治療も多く行っており、2015年度は年間100件を超えるカテーテル手術件数がありました。また初期救急から2次・3次救急まで幅広く診療しており、多くの場合は手術にならないことが多く、その場合は保存的(投薬加療)とリハビリテーションでの治療となります。リハビリテーションスタッフが充実しているのも特徴であり、早期リハビリ・早期復帰を目指して診療を行っております。

糖尿病内分泌内科

　当科は糖尿病教育入院を入院診療のメインにしています。教育入院は２週間を20回と1週間を10回行っています。参加者は２型糖尿病が多数ですが、１型糖尿病病や妊娠糖尿病もおられます。また、１型糖尿病合併妊娠の血糖コントロールも担当しており、CSIIやSAPといったインスリンポンプ療法を行っています。ERから紹介される低血糖症の治療も診療の柱にしており、年間10例程度担当しております。大多数が高齢者です。

心臓血管外科

　当科が対象とする疾患は、血管疾患と大動脈弁や僧房弁などの心臓弁膜症や冠動脈疾患（狭心症や心筋梗塞）大動脈疾患（動脈瘤や解離性大動脈瘤）です。小児の心疾患は小児循環器の手術対象となるものも含みます。血管疾患は静脈疾患と動脈疾患があります。そのうちの静脈疾患が下肢の静脈瘤で短期滞在手術にて対応しています。動脈硬化に伴う血管疾患として下肢の閉塞性動脈硬化症や大動脈瘤、心臓では冠動脈疾患や大動脈弁の狭窄症もこの一連の疾患となります。手術療法ではステントで対応できるものはカテーテル治療であるステントで行い、手術で加療を行うものは手術と個々に応じた治療を行っています。カテーテル治療は昨年新設されたハイブリッド手術室で行っています。

精神科

　当院の救急救命センターには多くの自殺未遂患者が搬送され、その自傷手段として最も多数（約45％程度）を占めるのが急性薬物中毒です。身体的加療とともに精神科も精神科リエゾンチームという形態で他職種で対応しています。年間約100例の自殺未遂患者に救急での介入を行い、精神症状の評価を行い、再企図の防止の観点から入院もしくは外来治療の必要性を判断し導入を行っています。

産婦人科

　当院は周産期母子医療センターであるため、当科には切迫早産や早産期での前期破水、妊娠高血圧症候群などの早産に関連するような疾患を中心に、さまざまなハイリスク症例を開業医の先生よりご紹介頂いています。そのため、多胎や既知の胎児異常や早産関連疾患が多いのが特徴です。また、婦人科悪性腫瘍に関しては婦人科腫瘍専門医を配置し患者様のQOLに配慮し、手術、化学療法、放射線治療と連携した集学的治療を行っており、臨床試験にも積極的に参加しています。

眼科

　眼科疾患全般の診療しています。日帰り手術を含めると年間に1000例以上の手術を行っています。白内障の手術（水晶体再建術）が最多ですが、散瞳不良例、チン小帯脆弱例などの難症例はもちろん、心臓病や腎臓病、精神科疾患などの全身疾患のある患者さんでも手術が可能です。 また網膜剥離や糖尿病網膜症などの網膜疾患に対する硝子体手術に特に力を入れており、手術症例数の1/4程度を占めています。広角眼底観察システムや最新式の手術装置、手術用顕微鏡を導入し、安全かつ低侵襲の手術を目指しています。

耳鼻いんこう科

　鼻・咽頭・喉頭・頚部の疾患に対する治療のうち、主に手術や急性炎症症例の入院加療を行っています。手術は慢性扁桃炎、扁桃肥大症、アデノイド増殖症に対するものが最も多く、急性炎症は急性扁桃炎や重篤な病態である扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎症例が多くを占めます。また当院では高気圧酸素療法が可能であり、急性難聴である突発性難聴に対する高気圧酸素療法を行っています。1日1回、計12回の治療を行うため、入院期間が13日程度となります。高気圧酸素療法目的に近隣のクリニックから多くのご紹介を頂いています。

皮膚科

　入院患者は感染症が大部分を占めています。細菌感染症として蜂窩織炎・丹毒、ウイルス感染症として帯状疱疹が多い状態です。また、全身症状を伴う重症型薬疹やウイルス性発疹症も含めた中毒疹も比較的多く認めます。

泌尿器科

　当科で最も入院患者数が多いのは、前立腺癌疑いにて診断確定のため、前立腺生検を行う患者さんです。当科では経直腸的エコーガイド下に生検を行っております。近年前立腺癌患者は増加してきており、早く診断し、適切な治療を行うように心がけています。それに続くのが膀胱がんで、その多くは表在性膀胱がんです。それらに対して内視鏡による経尿道的切除を行っております。膀胱壁（筋層）への浸潤がある場合は、膀胱を摘出しなければいけないこともありますが、できるだけ膀胱を温存し経尿道的手術でコントロールできる様に努力しています。また、それに続くのが尿路感染症となります。当院が救急病院であることもあり、尿管結石による閉塞性腎盂腎炎、敗血症となった患者さんも比較的多く治療しています。閉塞性腎盂腎炎は尿管ステントを挿入することにより速やかに改善する可能性があり、できるだけ早く処置ができる様にしています。

腎臓内科・透析内科

　腎臓内科では、尿異常、慢性糸球体腎炎の精査加療、維持透析の導入（血液透析・腹膜透）、維持透析患者の合併症管理などを行っています。腎臓病原疾患の治腎生検は20例前後ですが、減少傾向にあります。IgA腎症などの治療のための入院が年間数例あります。CKD教育入院は腎不全への進展防止と末期腎不全時のスムーズな療法選択のために欠くことができないものです。腎臓内科では透析導入期のアクセスの作成。内シャントの閉塞や感染。腹膜透析のカテーテル挿入術を行っております。透析導入数は50例前後です。透析導入後の維持期のブラッドアクセストラブルも入院の理由となっており、手術件数は年間120例前後となっております。また、入院は一部だけになりますが、ブラッドアクセスの経皮血管拡張術も年間80件おこないました。

緩和ケア内科

　聖母ホスピス病棟はがんによる身体の辛い症状や心の痛みを和らげる治療を希望される方が入院できる病棟です。癌を治すための治療はできませんが、症状を和らげるための治療を専門的に行います。また、不安や孤独といった精神的な苦しみも軽減できるようなケアを行っています。症状が落ち着いたらご自宅での療養も可能です。その人らしく過ごして頂けるように患者さんと御家族を支えていくところです。

救急科

　救急科は、救急車やドクターヘリで聖マリア病院に搬送されてくる患者さんに、病院の中で一番初めに対応する診療科です。迅速な診断や初期治療を行いながら病院内の専門診療科へ治療を引き継ぎ、また更に次々と救急搬送されてくる患者さんに対応し続ける、いわゆる「ER型救急」の中心を担う診療科です。 運用上、退院時の患者さんに関わる機会が少ないため、件数には薬物中毒のみ挙がっていますが、重症～中等症～軽症に至るまで、ここには挙がらない非常に多くの診療に携わっています。 近年は専従スタッフの充実も進みつつあり、有機リン中毒やアセトアミノフェン中毒といった重症中毒以外の診療（蘇生後の患者や多発外傷患者等のICU管理が必要な患者さん）についても、ICU在室中の診療支援を担う集中治療科と協力しながら件数を増やしつつあります。

乳腺外科

　当院では地域がん拠点病院として乳癌治療に対し専門的なスタッフをそろえ、診断、手術（乳房再建含む）、薬物治療、放射線治療、リンパ浮腫治療とすべての治療を他科と連携しチーム医療を行っております。化学療法に関しては静脈ポート（持続注入用植込型カテーテル）を留置し、入院でも治療を受けられるようし、乳癌認定看護師や薬剤師もサポートしながら患者様が安心して化学療法を受けていただけるような体制をとっております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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※ 1：UICC TNM分類,2：癌取扱い規約

　UICC病期分類とは、UICC病期国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つのカテゴリーによってがんを早期(I期)から末期(IV期)に分類したものです。2015年度の当院を退院した患者さんの統計を上の表に記載しております。当院を来院する肺癌や胃癌の患者さんは、来院時にすでにIV期の患者さんが多い傾向にあるようです。治療成績にも影響している可能性が考えられます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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　市中肺炎とは、一般社会生活を送っているに人に見られる肺炎のことをいいます。病院で発生した肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎などは除かれます。市中肺炎は、成人市中肺炎診療ガイドラインに示された症状・身体所見・年齢による重症度分類(A-DROPシステム)により重症かどうかが判断され、治療の場所や内容が決定されます。軽症(重症度スコア0)の患者さんは外来で治療することもありますが、中等症(重症度スコア1~2)、重症(重症度スコア3)の患者さんは入院のもとで治療を行います。治療は抗菌薬と中心とした薬物療法が主体となりますが、患者さんの呼吸不全の程度に応じて酸素療法、ハイフローセラピー、人工呼吸管理といった呼吸管理を行っていきます。当院では中等症の患者さんが中心となっています。軽症に比べて、中等症や重症では高齢の患者さんが多くなる傾向にあり、また重症度が上がるほど呼吸不全や他の臓器の合併症が増加するため、長い治療期間が必要となっています。

脳梗塞のICD10別患者数等

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　脳梗塞は早期治療が可能な緊急疾患です。特に発症から数時間以内は、血栓溶解薬の点滴と血管内カテーテル治療によって、たとえ重症例であっても治癒や後遺症の軽減が期待できます。また軽症の場合でも、発症から24~48時間以内に治療を開始すれば、そうでない場合と比べて再発、重症化を少なくするすることができます。よく見られる症状は、片手足や半身の脱力、顔面麻痺、呂律や言語の障害などで、重症例ではもうろう状態や意識障害を伴います。始めは軽症で一時的でも、高率に再発・進行が認められる疾患ですから、これらの症状が急に出現した場合は、その程度に関わらず、直ちに救急車を要請しましょう。当院では、24時間・365日最新の脳梗塞緊急治療が行える体制を整備し、積極的に実施しています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

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消化器内科

　当院消化器内科の特徴は、消化器疾患に対する様々な内視鏡を用いた検査や治療のほとんどを行えることです。その中で最も多い内視鏡手技が胃・大腸の腫瘍性病変をはじめとした消化管腫瘍に対する内視鏡的治療で年間約500件行っています。その中で大腸がんは近年増加傾向にあるといわれており、非常に注目を浴びている病気です。当院では大腸ポリープといわれるような大腸の腫瘍性病変に対して年間約400件の内視鏡下摘除を行っています。その約80%は2センチ未満の病変で、通常は2泊3日程度の入院の上での治療を行っており、病変が小さな場合には外来での日帰り治療も行っています。また残り20%が2cmを超えるような大きな病変で、そのような病変に対しても内視鏡を用いた治療が可能で、特に大きな病変に対しては粘膜下層剥離術という手法を用いて内視鏡下に治療を行うことが可能です。また早期の胃癌に対しても粘膜下層剥離術の手法で摘除を行うことが可能です(病変によっては摘除の対象外となることもあります)。胃・大腸の腫瘍は早期に発見されると、内視鏡を用いた治療で根治が期待できます。症状がみられない場合でも内視鏡検査を受けられることをお勧めします。次に多い内視鏡手技は胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室をはじめとした消化管出血の患者さんに対して行われる止血術です。胃・十二指腸潰瘍を患われている患者さんにはヘリコバクターピロリ菌感染や鎮痛剤・抗血栓薬を内服されている方がほとんどです。そのような方では潰瘍ができないように予防をすること、また潰瘍をわずらっていないかを内視鏡で確認することも重要です。特にピロリ菌は発がんとも関連しており、内視鏡検査でその診断が可能です。胃の内視鏡検査を受けられたことのない方には検査をお勧め致します。

脳血管内科

　経皮的頸動脈ステント留置術は頸動脈狭窄症に対して、経皮的脳血栓回収術は脳主幹動脈の急性閉塞に伴う脳梗塞に対して患者様の症状を改善する目的で行われます。近年の脳梗塞の増加に伴っていずれも実施件数は増加傾向にあり、当院では積極的にこれらの治療に取り組んでいます。

循環器内科

　不必要な入院をなくし、できるだけ短期間で治療が終了するように努力しています。また、必要な方にはできるだけはやく治療を行えるように努力しています。そのため心筋梗塞や不安定狭心症の患者様にはスムーズな治療ができていると考えています。冠動脈ステント留置術ですこし長めなのは救急で原因がはっきりしないで入院されて来て、入院後治療方針が決定される患者様がある程度おられるからだと考えています。

小児科

　当院小児科は急性肺炎などの呼吸器感染症やアレルギー疾患である気管支喘息などの入院患者が多いため、急性中耳炎や滲出性中耳炎の合併を多く認めます。急性中耳炎は膿の貯留により鼓膜腫脹の強く発熱や激痛が続いている場合、滲出性中耳炎においては粘液貯留が強く内服治療でも治らない場合は、当院耳鼻咽喉科に紹介し鼓膜切開術を施行されています。

小児循環器内科

　私たちの特徴は手術せずに心臓の治療を行うカテーテル治療です。Amplatzer閉鎖栓（ASO）を使用した心房中隔欠損症のカテーテル治療は、九州で最初の認可施設として、2006年から開始し、小児期から79歳の高齢者まで幅広く対象としています。また、2009年よりAmplatzer動脈管閉鎖栓（ADO）を用いた動脈管開存カテーテル治療の認可施設としての治療も行っています。Amplatzer閉鎖栓（ASO）を使用した心房中隔欠損症の治療は413例、Amplatzer動脈管閉鎖栓（ADO）を用いた動脈管開存カテーテル治療は74例(2016.3月まで)で、九州では最も多くの症例を治療しています。そのほか新生児動脈管ステント留置術や動脈管コイル塞栓術、大動脈や肺動脈のバルーン弁拡大術、新しい閉鎖栓（vasucular plug）による側副血行路塞栓など積極的に行っています。2015年はカテーテル検査を行った113例の内でカテーテル治療は41例でした。2015年10月当院に外来手術センターが設置され、ハイブリッド手術室がオープンしました。心房中隔欠損症や複雑なカテーテル閉鎖術は原則その手術室で施行するようになり、より清潔で安全に治療できるようになりました。

新生児科

　新生児科では手術診療を行うことはありませんが、ただし、ハイリスク分娩に立ち合い、出生した児に必要な蘇生処置を行うことがあります。当院では年間約700例の分娩があり、上記の如く新生児蘇生を要した症例があります。

外科

　2015年度の外科での手術件数は1,064件で、外科手術の約35％は緊急手術です。当院は、福岡県より指定された地域がん診療連携拠点病院で、悪性腫瘍は、胃癌、結腸・直腸癌、食道癌、肝癌、胆道癌、膵癌などを対象にしています。同年度の胃癌手術は72件、結腸・直腸癌手術は104例、食道癌は4件で、胃癌手術の約40％、結腸・直腸癌手術の約60％、食道癌の100%で鏡視下手術を施行しています。当院は進行癌が多い特徴がありますが、症例に応じて低侵襲な腹腔鏡手術を施行しています。肝癌（肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝癌）、胆道癌、膵癌に対しては、積極的に高難度手術を施行しています。大腸癌肝転移、進行胆道癌、進行膵癌に対しては、術前化学療法を併用して、癌遺残のない根治手術をめざします。同年度は、肝癌17件、胆道癌10件、膵腫瘍15件でした。同年度の胆嚢摘出術は138件、虫垂切除術は98件、へルニア手術は102件で、胆嚢摘出術の約70％、虫垂切除術の約70％、へルニア手術の約50％を腹腔鏡手術で施行しています。低侵襲な腹腔鏡手術は、悪性腫瘍、一般外科手術にて増加しています。

小児外科

　小児外科は主に手術療法を必要とする小児の診療を行っています。一般的に小児期に手術を要する疾患で最も多いのは鼡径ヘルニアであり、当科でも本疾患の手術を最も多く行っています。当科では身体構造の違いから男児は従来のヘルニア手術を行っており、女児のみ腹腔鏡によるヘルニア手術を行っています。それに次いで多いのは停留精巣に対する固定術で1歳半から2歳前ころまで精巣の自然下降、発育を観察した後に行っています。

形成外科

　当院の特徴としては、やはり最近が眼瞼下垂症に対する手術が増えております。また、そのほかの手術としましては、口唇口蓋裂関係の手術も多いのですが、術式が細分化されておりランク外となっています。また、褥瘡や足壊疽・四肢の重度のけがに対して、皮弁をおこなう手術も多くなっております。

整形外科

　大腿骨近位部骨折は高齢者に多く、転倒などの軽微な外傷で起こります。治すためには骨接合術や人工骨頭置換術などの手術を行う必要があり、当院では年間250例前後行っています。麻酔科と協力して術前待機日数の短縮に努めており、数年前は10日前後でしたが2015年度は6日になりました。歩行能力を再獲得するためには術後のリハビリも重要になります。当院は近隣のリハビリ病院と連携しており、継続的なリハビリを行えます。骨内異物除去術（抜釘術）は以前は入院して行っておりましたが、最近は日帰り手術が可能となりました。日帰り手術で行えば仕事を休まずに済みますし、家族の負担も軽減します。

呼吸器外科

　我々は、退院を急がせません。ご本人が納得されるまで入院していただいております。長期の療養をご希望の場合は、すぐ近所の提携病院に転院していただき、退院まで協力して拝見しております。

脳神経外科

　病院の運営方針にもある、救命救急医療を通じ、断らない医療を推進するという理念のもと、初期救急から3次救急まで全ての依頼を断らないよう、全ての疾患に対応できるよう心がけております。その特徴からやはり頭部外傷や脳血管障害といった救急疾患に対しての手術が多くなっておりますが、脳腫瘍や小児の疾患(髄膜瘤や先天奇形など)に対しても充実した設備(ナビゲーションシステムや術中の各種電気生理モニタリング、最新の画像構築ソフト)のもとに安全な手術を心がけて行っております。またカテーテル手術も多く行っており、2009年から血管内治療専門医が常在し徐々に症例数が増え、昨年度は100件を超える手術数がありました。最近ではハイブリッド手術室が導入され、手術室の中でカテーテル治療が行なえるようになりました。最新の血管造影機器(バイプレーン・フラットパネル)を用い、全身麻酔の症例は全て麻酔科専門医による麻酔管理・指導の下に安全に治療を行なっております。

心臓血管外科

　当院心臓外科は、新生児心疾患から成人心疾患を含めた心疾患及び血管疾患を行っています。静脈瘤は短期滞在手術として行っています。最近では動脈硬化による疾患の数が多くなりました。冠動脈狭窄症いわゆる狭心症や、下肢の動脈閉塞症や、大動脈瘤もこの要因の疾患です。狭心症に対する冠動脈バイパス手術は内科的治療の発達とともに当科での手術となる症例は高齢であったり、重症の複雑な症例や準緊急を要する手術が多くなっています。このため術前の入院期間が長い症例があります。当科ではなるべく早期の回復のためにリハビリの介入を術翌日から行っています。患者さんに安心して帰っていただけるように、外来心臓リハビリや必要であれば連携病院でのリハビリを協力いただいています。また大動脈のステント治療にもハイブリッド手術にて対応しています。先天性疾患については小児循環器科を参照ください。

産婦人科

　当科はハイリスク分娩を取り扱う事が多いため、産科では帝王切開術率が高いのが特徴です。また、子宮頸部疾患に対して行う低侵襲な術式を行っております。若年者及び妊孕性に配慮し、また、妊娠合併時には周産期管理と併せて管理を行っています。

眼科

　眼科疾患全般の診療しています。日帰り手術を含めると年間に1000例以上の手術を行っています。白内障の手術（水晶体再建術）が最多ですが、散瞳不良例、チン小帯脆弱例などの難症例はもちろん、心臓病や腎臓病、精神科疾患などの全身疾患のある患者さんでも手術が可能です。また網膜剥離や糖尿病網膜症などの網膜疾患に対する硝子体手術に特に力を入れており、手術症例数の1/4程度を占めています。広角眼底観察システムや最新式の手術装置、手術用顕微鏡を導入し、安全かつ低侵襲の手術を目指しています。

耳鼻いんこう科

　鼻・口腔・咽頭・喉頭・頚部疾患の手術を行っています。慢性扁桃炎、扁桃肥大症に対する口蓋扁桃摘出術が最も多く、1歳以降の幼児から大人まで幅広く行っています。小児が多くを占める保存的加療で改善しないまたは繰り返す滲出性中耳炎に対して鼓膜チューブ挿入術を1泊2日で行っています。慢性副鼻腔炎に対し内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術を行っています。多くは保存的加療で改善しない慢性炎症であり手術により症状の改善を図っています。

泌尿器科

　当科の手術で最も多いのは、表在性膀胱がんに対する内視鏡による経尿道的切除術です。膀胱がん患者にとって膀胱を温存できるかどうかは重要な問題であり、できる限り経尿道的手術でコントロールできる様に努力しています。その次に多いのが、前立腺肥大症に対する経尿道的切除術です。現在はスタンダードな電気切除を行っております。今後はレーザー切除術（ホルミウムレーザーによる核出術）の導入を検討しているところです。また、これに続くのが尿管結石に対する経尿道的結石除去術(TUL)です。当院では体外衝撃波結石破砕装置（ESWL)も有しており、尿路結石に対するあらゆる治療を行っております。（TUL、PNL《経皮的尿路結石除去術》、ESWL《主に外来治療》)

腎臓内科・透析内科

　腎臓内科で行う手術は、透析のアクセス関連です。透析導入期の内シャント作成、腹膜透析カテーテル挿入、合併症によるアクセス再建となります。また、経皮的血管拡張術も行っておりますが、ほとんどが外来のため上記の人数には一部しか反映されません。

乳腺外科

　当院では地域がん拠点病院として乳癌治療に対し専門的なスタッフをそろえ、診断、手術（乳房再建含む）、薬物治療、放射線治療、リンパ浮腫治療とすべての治療を行っております。化学療法に関しては患者様が安心して化学療法を受けられるように静脈ポート（持続注入用植込型カテーテル）を留置し行っていただいております。縮小手術として行っているセンチネルリンパ節生検は赤外線法を用いたリンパ節検出、OSNA法を用いた最新の転移の診断法を取り入れております。

その他(ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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　当院において、救急入院での緊急手術や緊急処置症例が多く認められます。そのため合併症の発生リスクも高い状況にあります。そのため、リスク軽減のための細心の注意と最善の努力を怠らないようにしております。

更新履歴

2016年9月30日　　　　病院指標を公開しました。