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平成30年度 聖マリア病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 2,703 716 662 986 1,194 1,396 2,709 3,100 2,466 622

 当院入院患者さんの年齢分布の特徴は二峰性にあります。一つは高齢者のピーク、そしてもう一つは総合周産期母子医療センターや小児科を有するための0~9歳までのピークです。小児の入院患者さんの変動は大きくはありませんが高齢者の入院患者さんは増加傾向にあります。入院を予定入院(計画的な入院)と緊急入院に分けてみると、そのピークは60代から70代に移行しています。入院総数の37%が70歳以上との結果となっています。80歳以上の入院率の大幅な増加が特徴的で、その73%は緊急入院となっています。
 人口減少の前に高齢化社会が始まっているものと思われます。予定入院も高齢化してきており、高齢者特有の合併症の出現も問題となってきています。入院によりフレイルとならないように早期の栄養管理やリハビリを進めることが必要と思われます。地域医療機関との連携をますます深めこの問題に取り組んでいきたいと思います。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XX0X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病なし 301 3.95 2.67 0 66.96
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石,胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 定義副傷病なし 79 10.71 10.08 6.33 72.56
060102XX99XXXX 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 60 8.55 7.75 1.67 53.05
060100XX01XX1X 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病あり 58 4.36 3.94 1.72 71.97
060140XX97X00X 胃十二指腸潰瘍,胃憩室症,幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 51 10.39 10.58 11.76 67.98

 当院消化器内科の特徴は、消化器疾患に対するさまざまな内視鏡を用いた検査や治療のほとんどを行えることです。中でも、胃・大腸の腫瘍性病変をはじめとした消化管腫瘍性病変の内視鏡的治療は年間約450件、特に大腸ポリープといわれるような大腸の腫瘍性病変に対して年間約400件の内視鏡下摘除を行っています。通常は2泊3日程度の入院の上での治療を行っており、病変が小さな場合には外来での日帰り治療も行っています。また2cmを超えるような大きな病変に対しては粘膜下層剥離術という手法を用いて内視鏡下で治療を行うことが可能です。
 救急搬送される患者さんが多いことも当科の特徴です。その中でも胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室などを原因とした消化管出血、胆石・胆のう炎、胆管結石に伴う胆管炎などの患者さんが多く搬送されます。ここでも内視鏡の果たす役割は大きく、消化管出血の患者さんに対する内視鏡的止血術や、胆管結石に伴う胆管炎の患者さんに対する内視鏡を用いた採石や胆管ドレナージ術などを行っています。
 胃・十二指腸潰瘍の患者さんはヘリコバクターピロリ菌に感染していることが多く、そのような場合には一度潰瘍が治癒しても再発することがあります。再発予防には抗菌薬と制酸剤、あわせて3種類の薬剤を1週間ほど内服する除菌療法が有効であり、1次除菌療法を行った方の約90%でヘリコバクターピロリ菌が除菌されます。無効であった10%の方にも薬剤を変更した2次除菌療法を行うと、その90%の方でヘリコバクターピロリ菌が除菌されます。また一度除菌されると再感染することがほとんどないとも報告されています。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 手術なし 処置2 4あり 定義副傷病なし 53 21.94 16.17 9.43 69.79
130010XX97X2XX 急性白血病 手術あり 処置2 2あり 52 39.23 40.13 5.77 61.29
130030XX97X40X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 処置2 4あり 定義副傷病なし 30 28.37 32.36 6.67 65.5
130030XX97X3XX 非ホジキンリンパ腫 手術あり 処置2 3あり 16 31.44 32.83 0 62.5
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫,免疫系悪性新生物 手術なし 処置2 5あり 15 27.2 23.43 6.67 72.47

 血液疾患においても高齢化の傾向にありますが、患者さんの病状や社会的な背景を評価して包括的な診療を行っています。診断時より緩和ケアを積極的に取り入れ、難治性の患者さんにおいてもアドバンス・ケア・プランニングを行いながら、最期まで患者さんとそのご家族を支援する方針をとっています。
 血液腫瘍においては細胞遺伝学的診断、遺伝子診断を用いたリスク評価を行い、リスクに応じた治療戦略をたてることにより、より効果的で安全性の高い治療を選択しています。
 急性骨髄性白血病に対しては多剤併用化学療法を行い、高リスク症例や再発難治症例においては積極的に同種造血幹細胞移植を行っています。
 急性リンパ性白血病に対しては微少残存病変の有無による治療方針の選択を行っています。また、新薬である抗体療法も積極的に取り入れています。
 悪性リンパ腫においては、低悪性度リンパ腫に対する新規抗体医薬品やT細胞性リンパ腫に対する新規低分子医薬品を積極的に導入しています。再発低悪性度B細胞リンパ腫に対しては、有害事象の少ない放射免疫療法も行っています。
 多発性骨髄腫症例は高齢者が多いですが、可能な症例においては新規薬剤による治療導入後に積極的に自家末梢血幹細胞移植を行っています。
 高リスク骨髄異形成症候群において適応のある症例には積極的に同種造血幹細胞移植を行い、非移植適応患者に対してはアザシチジンを中心とした化学療法を行っています。低リスク骨髄異形成症候群に対しては免疫抑制療法やエリスロポエチン受容体刺激剤、輸血による支持療法、鉄キレート療法を行っています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 63 24.59 20.92 47.62 81.63
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 処置2なし 60 4.47 3.43 1.67 71.17
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2 4あり 定義副傷病なし 48 13.5 10 0 67.9
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 処置2なし 46 18.93 19.06 10.87 75.11
040040XX9900XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 32 26.28 14.58 25 75.16

 呼吸器内科は肺疾患に対する診療科です。当科への入院患者数では高齢の患者さんに発症する誤嚥性肺炎が最も多く、地域の救急医療を担う当院ならではの特徴であります。
 次に上位2、3、5位を占める疾患は肺がんで、それぞれ化学療法や放射線治療、検査入院、緩和治療が内訳となります。肺がん治療ガイドラインに従い治療方針をカンファレンスで決定しております。4番目に多い間質性肺炎は、さまざまな原因で肺が硬くなる(線維化する)病気で、原因によって抗線維化薬やステロイドなどの抗炎症治療、免疫抑制治療などを使い分けて治療しております。

脳血管内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060X2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2 4あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 142 22.01 16.18 35.21 69.62
010230XX99X00X てんかん 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 74 11.23 7.28 14.86 63.15
030400XX99XXXX 前庭機能障害 手術なし 56 4.8 5.1 0 66.07
010060X2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2 2あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 49 18.33 16.16 32.65 70.57
010061XXXXX0XX 一過性脳虚血発作 処置2なし 46 8.52 6.24 2.17 66.52

 急性期脳梗塞は、当科の全入院患者数の60%を占め、年間600例を超える急性期脳梗塞・一過性脳虚血発作の患者さんの治療を行っており、福岡県南地域の包括的な脳卒中センターとして重要な役割を担っています。今や一般的治療となった血栓溶解薬アルテプラーゼの点滴静注療法に止まらず、2015年にその効果が確認され、現在世界で普及しつつある脳血栓回収術などの緊急再灌流カテーテル治療をいち早く標準的治療法として導入して、より多くの脳梗塞患者が機能回復と社会復帰を果たすことができるよう積極的に先進的治療を行い、良好な治療実績を上げています。
 国内の急速な高齢化の進行に伴って、高齢の方に新たに発症する「高齢者てんかん」が年々増加しています。突然意識を失って全身の痙攣を繰り返す「てんかん重責状態」で初めて発症する方も多く、重度の重責状態に陥ると緊急気管内挿管や人工呼吸管理などの集中治療が必要になったり、後遺症として認知症や運動・嚥下機能障害を残すことも多く、治療が難しいことが特徴です。
 めまい症は、良性の耳鼻科疾患(最も多いのは良性発作性頭位めまい症)がその多くを占めますが、一部に決して良性とはいえない脳梗塞や脳出血などの脳卒中や、脳動脈解離などの緊急疾患が含まれていることもあります。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050XX99100X 狭心症,慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1 1あり 処置2なし 定義副傷病なし 169 3.46 3.01 0 69.13
050070XX01X0XX 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 103 4.69 5.15 0 64.27
050050XX02000X 狭心症,慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 処置等1 なし,1,2あり 処置2なし 定義副傷病なし 99 5.48 4.47 2.02 69.89
050030XX97000X 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む),再発性心筋梗塞 その他の手術あり 処置等1 なし,1あり 処置2なし 定義副傷病なし 80 13.49 12.52 0 71.1
050050XX99200X 狭心症,慢性虚血性心疾患 手術なし 処置等1 2あり 処置2なし 定義副傷病なし 73 3.45 3.15 0 69.82

 循環器内科における診療の大きな柱は、虚血性心疾患への対応です。急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群に対しては、緊急の対応が必要ですので、24時間365日循環器内科の医師が院内で勤務をして、迅速に対応できるようにしています。平均在院日数は2週間弱ですが、高齢化のため平均年齢は70歳を超えており、通常と異なる対応が必要な症例も増えています。慢性虚血性心疾患においては、平均年齢は70歳以下で、検査のみであれば平均在院日数が4日以下となっています。適応を十分に考慮し、検査時のアプローチについても遠位橈骨動脈など侵襲度を低くする工夫をし、できるだけ短期間で退院できるようにしています。治療適応の判断にあたっては、心筋虚血の有無が重要ですので、血流予備比などの測定を心臓カテーテル検査時に積極的に行っています。冠動脈形成術の場合も、事前に適応や治療方針など十分な検討を行い、また低侵襲による合併症予防を図ることにより、できるだけ短期間の入院となるようにしています。
 近年では不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も、診療の柱となっています。こちらはより厳格な適応が求められますので、平均年齢は65歳以下となっており、平均在院日数も5日以下です。症例数が増加していますが、クライオアブレーションを導入するなどして1日あたりの治療件数を増加させ、外来での予約から入院までの日数が長くならないようにしています。
 表には挙がりませんでしたが、全国的な傾向と同様に、高齢の心不全患者も増加しています。全国平均を上回る高齢化地域ですので、特にそれを実感します。迅速な心不全コントロールによる在院日数の短縮、適切な原因精査と十分な治療による再入院の予防に努めています。ただし、積極的な精査加療を望まれない患者も増えており、アドバンスケアプランニング、緩和医療も実践しています。
 また、適切な入院適応判断や早期からのソーシャルワーカーの介入、かかりつけ医、往診医との連携により、転院率も低く抑えるようにしています。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090XXXXXX0X 急性気管支炎,急性細気管支炎,下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 188 6.31 6.19 4.26 0.56
040100XXXXX00X 喘息 処置2なし 定義副傷病なし 185 5.92 6.62 1.62 3.91
150040XXXXX0XX 熱性けいれん 処置2なし 178 4.13 3.83 1.69 1.98
0400801199X00X 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 123 6.9 5.71 0.81 2.93
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし 95 12.47 12.58 6.32 1.74

 久留米地区を中心とした福岡県南部という1つの医療圏において、当院小児科の果たすべき役割は24時間365日 救急診療が可能な中核病院であり続けることです。
 入院患者の多くは、小児救急疾患の代表である呼吸器感染症(急性気管支肺炎、細気管支炎、上気道炎(新生児・乳児発熱))、腎臓・尿路感染症、消化器感染症(ウイルス性腸炎など脱水症を伴う)等の感染症やアレルギー疾患(気管支喘息発作)が多く占めています。また、救急車にて搬入される緊急性の高い複雑型熱性けいれんや無熱性けいれん(てんかんなど) 意識障害・けいれん重積などの中枢神経疾患は、いかなる時間帯においても検査(ビデオ脳波、頭部CT・MRIなど)を行い、迅速な診断そして治療を行っています。
 2018年度の特徴としては、前年度同様 RSウイルス細気管支炎に細菌感染合併を伴い呼吸不全に対してNasal High Flow(NHF)による呼吸管理が必要となった症例が、近隣の医療機関から転院搬送されてきました。また 市中感染症(尿路感染症)においては、原因菌(ESBL産生大腸菌)に対して通常使用する抗菌薬に難治性を呈した症例が増加しています。

小児循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031XX09910XX 先天性心疾患(動脈管開存症,心房中隔欠損症を除く)(1歳以上) 手術なし 処置1あり 処置2なし 41 3.71 4.24 0 11.22
14029XXX97X0XX 動脈管開存症,心房中隔欠損症 その他の手術あり 処置2なし 32 6.09 6.45 0 13.53
14029XXX9900XX 動脈管開存症,心房中隔欠損症 手術なし 処置1なし 処置2なし 27 2.07 5.38 0 7.56
14031XX19910XX 先天性心疾患(動脈管開存症,心房中隔欠損症を除く)(1歳未満) 手術なし 処置1あり 処置2なし 17 3.47 4.64 0 0
14031XX103X0XX 先天性心疾患(動脈管開存症,心房中隔欠損症を除く)(1歳未満) 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの等 処置2なし 10 12.4 20.59 0 0

 2019年の総務省統計局の発表では、日本のこどもの数(15歳未満)は1,533万人で前年度より18万人減少し、総人口に占める割合は12.1%となっています。1982年より38年連続で低下しているのが現状です。対して久留米市ではこどもの数(15歳未満)は45,538人で人口に占める割合は14.9%、国の平均よりやや高くなっています。また年間の出生数は約2,700人で、全国815市町村の中では66位に位置し、2017年の合計特殊出生率は久留米1.57人、福岡県1.51人、全国1.43人、高く、教育環境やいつでも受診できる当院のような病院があることも寄与していると思います。周辺の市町村まで合わせると約4,000人から5,000人前後が出生していると推定されます。一方、出生時に何らかの心臓の問題を抱えている新生児は約1%で、これらから久留米周辺で生まれつき心臓に問題がある子供たち(先天性心疾患)は約400人から500人いて毎年30人から40人ずつ増加していると仮定できます。
 先天性心疾患は沢山の種類と組み合わせがあり非常に複雑なのですが、統計では心室中隔欠損症、肺動脈弁狭窄症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症、動脈管開存症の5種類の頻度が高く、全体の約85%を占めています。DPC分類上は数字に表れにくいところですが、当院でも同様です。当科ではそれ以外の生まれた後にかかってしまう川崎病後心後遺症、不整脈、心筋疾患の患児、患者さんも診療しています。 
 現在、小児循環器内科と標榜はしていますが、受診される方は生後0日から86歳までと幅が広いのも特徴です。理由としては当院は約40年前(1980年)から先天性心臓病の手術を行っているため、成人になった先天性心臓病の方たちのフォローアップなどをおこなっていることや、カテーテルなどでの治療技術が進歩したことにより成人で発見された先天性心疾患の方々が九州一円より紹介していただいているためです。
 当科の外来受診者数は2015年2,860人、2016年3,013人、2017年3,071人、2018年3,105人と増加し、成人先天性心疾患の患者さんも多くなってきたため、循環器内科の先生方と協力し成人先天性外来を開設しています。仕事や遠方のためなかなか受診できない方、開業の先生方で治療方針を悩むような方々の受け皿となる外来です。

新生児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010X199X00X 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 75 8.17 6.17 0 0
140010X299X0XX 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 処置2なし 30 17.5 11.32 0 0
140010X199X1XX 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 処置2 1あり 28 25.43 11.34 3.57 0
140010X299X2XX 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 処置2 2あり - - 27.46 - -
140010X299X1XX 妊娠期間短縮,低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 処置2 1あり - - 22.18 - -

 当院の総合周産期母子医療センターでは、筑後地域の一般産院で出生した病的新生児や低出生体重児の緊急搬送入院、および高度周産期医療施設として当院産科で管理しているハイリスク母体から出生した低出生体重児などに対応しています。
 一般産院や当院のハイリスク母体から出生した1,500g以上2,500g未満の低出生体重児、あるいは2,500g以上の早産児の入院が多く、染色体異常などの基礎疾患はないものの、早産に伴う呼吸障害への対応が必要となる新生児の入院が多い特徴があります。呼吸障害に対しては、酸素投与のみで改善するような症例がほとんどですが、なかには呼吸障害が顕著で人工呼吸器管理が必要な症例もあり、特に一般産院で出生した予期せぬ新生児仮死や呼吸障害などで緊急搬送の対象となる正期産の新生児に対しては、人工呼吸器管理を含めた積極的な全身管理を行っています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335XX02000X 胆嚢水腫,胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 118 9.25 7.3 5.08 58.33
060150XX99XX0X 虫垂炎 手術なし 定義副傷病なし 58 7.88 6.78 3.45 41.98
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 49 8.12 4.96 8.16 68.82
060020XX99X30X 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2 3あり 定義副傷病なし 42 5.48 6.7 0 64.6
060040XX99X60X 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 処置2 6あり 定義副傷病なし 40 6.98 4.33 0 69.65

 当院は地域がん診療連携拠点病院で、胃がん、大腸がん、食道がん、肝がん、胆道がん、膵がんなど、幅広い分野の悪性腫瘍の手術を施行しています。2018年度の手術件数は、胃がん手術48例(うち腹腔鏡81%)、大腸がん手術89例(うち腹腔鏡96%)、胆嚢結石・総胆管結石136例(うち腹腔鏡93%)、急性虫垂炎65例(うち腹腔鏡94%)、ヘルニア85例(うち腹腔鏡53%)でした。腹腔鏡手術は増加傾向にあり、腹腔鏡手術は、低侵襲で術後の疼痛が少なく、入院期間は短縮しています。
 当院では内視鏡技術認定医の指導のもと、安全な内視鏡手術の促進に努めています。2018年からは、早期胃がんに対するロボット支援手術を導入し、2018年度は16例施行しました。また、当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医制度認定施設であり、2018年度は高度技能指導医のもと、肝がん、胆道がん、膵がんなどの高難易度手術を32例施行しています。急性虫垂炎は、症例によって抗生剤を投与して数カ月後に手術をする待機手術、あるいは保存治療が増加しています。
 外科は、2017年から臓器別診療を開始し、現在、上部消化管、下部消化管、肝胆膵・移植、乳腺にてチーム医療を行っています。周術期に、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカー、栄養サポートチームなど多職種カンファレンスを行い、質の高い医療が提供できるよう努めています。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010XX01X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む))等 処置2なし 53 13.98 10.59 3.77 63.08
090010XX99X4XX 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2 4あり 31 8.68 4.28 0 54.16
090010XX97X40X 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 処置2 4あり 定義副傷病なし 18 9.06 6.54 0 53.56
090010XX02X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 処置2なし 16 9.5 6.23 0 59.75
090010XX99X6XX 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2 6あり 13 17.08 4.15 0 48.31

 当院は、地域がん診療連携拠点病院として乳がん治療に対し専門的なスタッフをそろえ、診断、手術(乳房再建含む)、薬物治療、放射線治療、リンパ浮腫治療など乳がん治療に必要なすべての治療行うことができます。乳がん治療を一貫して行える当院では、再発患者さんが紹介されることも多く、化学療法はより安全に安定して行えるように静脈ポート(持続注入用植込型カテーテル)を留置しています。
 進行した乳がん患者さんには、緩和ケアセンターの医師・看護師、精神科の医師などとともに診療にあたり、患者さんの苦痛を取り除けるように心がけています。患者さんの状況に応じて入院での治療も受けられるようしており、入院中は乳がん看護認定看護師や薬剤師もサポートしながら患者さんが安心して治療を受けていただける体制をとっています。

移植外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX991X0X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1あり 定義副傷病なし 11 2.27 7.18 0 46.18
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし - - 12.58 - -
110280XX97X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし - - 16.27 - -
060340XX99X00X 胆管(肝内外)結石,胆管炎 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし - - 9.81 - -
140450XX99XXXX 胆道の先天異常(拡張症) 手術なし - - 5.96 - -

 移植外科では2015年11月より生体腎移植プログラムを開始し、年間10例前後、これまでに36例の生体腎移植を実施しています。また2019年から献腎移植実施施設として、献腎移植登録を開始しています。

小児外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160X101XXXX 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 172 2.73 2.82 0 4.1
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 45 7.91 5.49 0 11.36
140590XX97XXXX 停留精巣 手術あり 44 2.3 3.14 0 2.09
060170XX02XXXX 閉塞,壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 32 2.38 8.26 0 2.22
060150XX02XXXX 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 31 11.84 9.94 0 9.23

 鼠径ヘルニアと停留精巣は、小児外科の定例手術の中心となる疾患です。例年通りの手術が行われており、在院日数も短期間です。
 救急疾患である虫垂炎は、患者さんやご家族の希望も考慮して、手術療法と保存的治療の何れかを選択します。手術療法での在院期間は虫垂周囲膿瘍の有無で差は生じませんが、保存的治療では必然的に虫垂周囲膿瘍が有る患者さんの在院期間は長くなりますので、全体的な結果として在院日数の差が認められます。
 その他、直腸肛門奇形、ヒルシュスプルング病、先天性胆道拡張症などに代表される小児外科独特の疾患の治療も広範に行っています。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200XX0200XX 顔面損傷(口腔,咽頭損傷を含む) 鼻骨骨折整復固定術等 処置1なし 処置2なし 74 9.2 5.37 1.35 27.7
140140XXXXXXXX 口蓋・口唇先天性疾患 53 11.7 9.46 0 8.64
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)等 処置1なし 19 6.05 4.05 0 42.53
160660XXXX1XXX 皮下軟部損傷・挫滅損傷,開放創 処置1あり 18 32.22 26.95 0 53.72
161000X199X0XX 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 処置2なし 18 14.67 11.89 11.11 18.06

 救急疾患に関しては原則断らない方針としており(ただし緊急手術中は除きます)、顔面外傷や熱傷患者が多くなっております。上記以外にも、切断指や重度四肢外傷も手術治療を行なっております。また、当科は開設当初から先天性疾患を多く治療しており、口唇口蓋裂に関しては院内の他職種と連携したチーム治療を実践しております。その他、最近はリンパ浮腫治療に力を入れており、外来でのマッサージや圧迫療法、入院によるリハビリテーションや手術治療も積極的に行っております。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800XX01XXXX 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩,股等 323 26.28 26.3 90.4 81.34
160690XX99XX0X 胸椎,腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 定義副傷病なし 112 17.06 19.61 80.36 77.35
160740XX01XX0X 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨,上腕,大腿等 定義副傷病なし 83 7.43 5.55 3.61 18.98
160760XX97XXXX 前腕の骨折 手術あり 73 10.48 5.68 6.85 35.75
160980XX99X0XX 骨盤損傷 手術なし 処置2なし 51 21.57 19.32 86.27 75.53

 大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折は高齢者の3大骨折です。
 大腿骨近位部骨折は入院して手術を行う必要があります。早めに手術して歩行訓練などのリハビリを行います。骨粗鬆症の治療も並行して行います。
 脊椎圧迫骨折は、変形しないように3カ月間のコルセット装着を行います。通常はコルセットで治療しますが、破壊(骨の損傷)が高度な場合や麻痺のある場合には、手術治療を行うこともあります。
 当院は小児の骨折(肘、前腕など)も多く来院されます。通常はギプス固定などの治療を行いますが、転位(骨のズレ)が大きい場合は手術を行います。小児骨折は、骨癒合しやすい変形が成長とともに改善する自家矯正などの特徴があります。しかし、成長障害を起こすこともあるので骨癒合した後も定期的に経過観察します。
 橈骨遠位端骨折(前腕手首側の骨折)はギプス固定による治療を行いますが、転位が大きい場合や関節内骨折は手術治療をおすすめします。
 近年は、高齢化に伴い脆弱性骨盤骨折が増加傾向です。通常はリハビリで治療しますが、疼痛が強く離床できない場合は低侵襲の手術治療を行うこともあります。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040200XX01X00X 気胸 肺切除術等 処置2なし 定義副傷病なし 55 8.95 10.08 0 25.16
040040XX97X0XX 肺の悪性腫瘍 手術あり 処置2なし 38 13.47 11.87 2.63 69.82
040150XX97X00X 肺・縦隔の感染,膿瘍形成 手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 11 23.36 31.09 0 68.09
040200XX97X00X 気胸 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし - - 17.03 - -
040030XX01XXXX 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 9.29 - -

 気胸に関しては、20歳以下の成長期の気胸から成人まで対応しています。また難治性気胸にも対応しています。
 肺がんに関しては、ロボット支援手術(縦隔腫瘍、肺がんともに九州厚生局に届け出済み)、胸腔鏡手術、開胸手術と全てのアプローチ法が可能で、患者さん・病態に応じて最善の方法を提案させていただいています。また、地域連携パスにも積極的に参加し、地域の先生方と連携しながら対応をしています。
 胸部外傷はもちろん、患者さんのQOLを改善させる難治性胸水の治療、膿胸、めずらしいところでは難治性の吃逆まで対応しています。
幅広い呼吸器外科領域に対応し、地域の先生方と連携しながら、地域の患者さんのため、積極的に取り組んでいます。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 144 7.67 7.35 15.28 41.97
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 121 15.64 9.69 23.97 74.85
010040X099000X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 99 20.92 18.72 53.54 65.64
010230XX99X00X てんかん 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 30 11.43 7.28 16.67 54.67
010040X199X00X 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 28 25.43 21.23 78.57 71.82

 当脳神経外科の役割は、「筑後地域において24時間365日、赤ちゃんから高齢者まで、いつでも迅速に、専門的な診療・手術ができる」というものと考えております。
 当院では年間10000件を超える救急搬入があり、年々増加しております。脳神経外科としても救急疾患がメインとなっています。特に頭部外傷と脳卒中が多く、中でもくも膜下出血は合計で年間40から50件前後の搬入件数があり、九州圏内でも有数の症例数と思われます。
 脳神経外科と脳血管内科が中心となる脳神経センターでは小児神経外科認定医が誕生するなど体制整備が進み、より充実した人員のもとで数多くの疾患に対応しております。

〇日本脳神経外科学会 専門医:7人(うち指導医4人)
〇日本脳神経血管内治療学会 専門医:4人(脳神経外科3名、脳血管内科1名)
〇日本脳卒中学会 専門医:3人
〇日本神経内視鏡学会 技術認定医:2人
〇日本小児神経外科学会 認定医:1人
〇日本内分泌学会 内分泌代謝科(脳神経外科)専門医:1人

 2019年度は、新たに専門外来として「赤ちゃんのあたまのかたち外来(仮)」を開設する予定です。「寝ぐせ」によると言われている、いわゆる絶壁頭(変形性短頭症)や斜めに歪んだ後頭部(変形性斜頭症)の赤ちゃんだけでなく、病的な症候群性頭蓋縫合癒合症(クルーゾン病やアペール症候群など)をも対象としたものであります。寝ぐせによる多くの軽症例では体位指導やマッサージなどで改善していきますが、重症例では専用のヘルメットを装着することで整った形状に誘導するヘルメット療法が有効です。また症候群性のものに対しては内視鏡的に縫合切除などが有効です。

糖尿病内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070XX99X100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全なし) 手術なし 処置2 1あり 定義副傷病なし 85歳未満 48 11.27 13.9 0 55.44
100070XX99X000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全なし) 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 85歳未満 29 8.1 11.05 0 62
100070XX99X110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全なし) 手術なし 処置2 1あり 定義副傷病あり 85歳未満 19 14.58 15.51 5.26 73.21
100071XX99X110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全あり) 手術なし 処置2 1あり 定義副傷病あり 85歳未満 18 16.28 15.14 11.11 69.28
100071XX99X010 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)(末梢循環不全あり) 手術なし 処置2なし 定義副傷病あり 85歳未満 11 8.27 12.41 0 61.91

 当科は糖尿病教育入院を入院診療のメインにしています。教育入院の期間は1週間で、年28回のスケジュールを設けています。参加者は2型糖尿病が多数ですが、1型糖尿病病や妊娠糖尿病もおられます。また、糖尿病合併妊娠の血糖コントロールも担当しており、1型糖尿病合併妊娠の場合はCSIIやSAPといったインスリンポンプ療法を行っています。
 統計には上がっていませんが、高血糖緊急症(ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群)や低血糖症の治療も担当しております。高血糖は治療中断が原因になることが多く、低血糖の大半は高齢者です。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤,腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 処置2なし 12 18.92 12.01 8.33 73.42
050163XX02X10X 非破裂性大動脈瘤,腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 処置2 1あり 定義副傷病なし 11 19.45 20.61 0 76.27
050170XX03000X 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 処置等1 なし,1あり 処置2なし 定義副傷病なし 11 10.27 5.5 27.27 79.82
050080XX01010X 弁膜症(連合弁膜症を含む) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 処置1なし 処置2 1あり 定義副傷病なし - - 24 - -
050050XX0101XX 狭心症,慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む) 単独のもの等 処置1なし 処置2 1あり - - 22.91 - -

 当科が対象とする疾患は血管疾患、大動脈疾患(真性、解離性大動脈瘤や急性大動脈解離)、心臓弁膜症、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)です。先天性心疾患は小児循環器内科の手術対象となるものも含みます。末梢動脈の閉塞性疾患に対する血行再建療法としてはカテーテルでのステント内挿術、血栓除去術、および人工血管によるバイパス手術があります。病変部位や開存性などを考慮して術式を選択しています。腹部大動脈瘤に対しては解剖学的に適応があればステントグラフト留置術を、適応が合わない場合は開腹手術を行っています。これら血管造影を用いた手技の場合は全例専用のハイブリッド手術室で手技を行っています。弁膜症でも動脈硬化性の大動脈弁狭窄症、変性による僧帽弁閉鎖不全症が増加傾向です。病因・病変などを総合して人工弁置換術か弁形成術かを決定します。急性大動脈解離、胸部大動脈瘤破裂は突然の胸背部痛にて発症しタイミングを逸すると死に至る病気です。当院の救命救急センターや近隣の救急病院と連携・提携してより多くの患者さんを救命できるように努めています。

精神科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 処置2なし 定義副傷病なし 13 7.62 3.56 7.69 38.69
170040XXXXXXXX 気分[感情]障害 - - 19.54 - -
160660XXXX0X0X 皮下軟部損傷・挫滅損傷,開放創 処置1なし 定義副傷病なし - - 9.61 - -
160350XX97X0XX 頸部損傷(喉頭・頸部気管損傷,頸椎頸髄損傷を除く) 手術あり 処置2なし - - 7.64 - -
170020XXXXXX1X 精神作用物質使用による精神および行動の障害 定義副傷病あり - - 5.85 - -

 総合病院精神科の役割として、精神科疾患患者の身体合併症の治療に重点を置き、骨折などの外傷や消化器疾患など身体的加療が必要な症例を周辺の施設から多数受け入れています。当院の精神科病棟は閉鎖病棟ですが、がん治療も行っており、近年は必要な患者さんに緩和ケア的な加療も身体科と連携して行っています。また、2012年11月から多職種で構成される精神科リエゾンチームを立ち上げ、一般身体科病床に入院した精神疾患の患者さん、せん妄・認知症などに対応しています。精神科リエゾンチームへの依頼件数は2018年度は967件にのぼり、毎日チーム回診を実施し(年間3410件の往診)、多様なニーズに対応しています。
 当院の特徴である救急医療分野では、救命救急センターに搬送された自殺未遂患者や混乱状態にも精神科リエゾンチームで介入しています。毎年約100人前後の自殺未遂者の治療に救急科と連携してあたっており、必要に応じて精神科身体合併症看護認定看護師、社会福祉士(精神保健福祉士)、心理士などが環境調整や生活上の問題などの相談を受け、精神科的治療継続の促進や再企図の防止に取り組んでいます。また、刃物などでの自傷や墜落外傷の患者さんには、安全性の高い閉鎖病棟に入院のうえ、身体的・精神科的加療、身体的なリハビリテーションに取り組んでいます。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180XX01XXXX 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 108 10.24 9.7 0 33.67
12002XXX99X40X 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2 4あり 定義副傷病なし 105 8.37 4.85 0 57.66
12002XXX02X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 処置2なし 78 5.81 3.2 0 41.51
120170XX99X0XX 早産,切迫早産 手術なし 処置2なし 77 22.51 19.69 11.69 30.9
120060XX01XXXX 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 61 11.31 9.87 0 45.7

 産婦人科は、「産科」と「婦人科」の診療を担っており、入院病棟は基本的に別に設けています。
 産科では、健康保険と自費併用の患者さんが多く、一般的な分娩は、DPC上の集計対象外となることにご留意ください。産科は総合周産期母子医療センターを担っているため、近隣の産婦人科医院よりハイリスク症例の外来紹介や母体搬送を多く受け入れています。切迫早産、早産期の前期破水、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病が主要な疾患です。双胎妊娠、胎児発育不全、精神疾患合併妊娠や高年妊娠、更には特定妊婦なども他職種と連携して診療しているのが当科の特徴です。
 婦人科では、各疾患に対応したクリニカルパスを使用して、質の高い医療を効率的に提供しています。手術は子宮・卵巣の良性腫瘍に対する開腹手術が腹腔鏡手術へ移行し、徐々に症例数も増加してきています。悪性腫瘍は日本婦人科腫瘍学会の専門医を中心に診療を行っています。近年、若年者や高齢者の患者さんも増加してきており、個々の症例に応じて、女性ライフプランも考慮した集学的な治療を積極的に行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110XX97XXX0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼 261 3.09 2.84 0.77 75.33
020160XX97XXX0 網膜剥離 手術あり 片眼 94 13.07 9.75 2.13 56.24
020200XX9710XX 黄斑,後極変性 手術あり 処置1あり 処置2なし 68 6.44 7.05 0 69
020180XX97X1X0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 処置2 1あり 片眼 48 7.02 10.5 0 59.46
020220XX97XXX0 緑内障 手術あり 片眼 34 8.85 8 2.94 72.35

 網膜剥離は、治療が遅れると視力障害を残したり、失明する可能性のある疾患です。当科ではできるだけ早急に手術を行うことを心がけ、良好な手術成績を残しています。また黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症などの網膜疾患に対する硝子体手術に特に力を入れていますが、最近では緑内障手術にも力を入れています。流出路再建術、濾過手術だけでなく、チューブシャント手術もできる体制です。最新の手術用顕微鏡、広角眼底観察システム、硝子体手術装置を2台ずつ導入し、安全かつ低侵襲の手術を目指しています。

耳鼻いんこう科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230XXXXXXXX 扁桃,アデノイドの慢性疾患 206 7.83 7.89 0 15.62
030428XXXXXXXX 突発性難聴 82 13.3 9.02 0 54.83
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 46 8.35 7.04 0 48.2
030240XX99XXXX 扁桃周囲膿瘍,急性扁桃炎,急性咽頭喉頭炎 手術なし 41 5.68 5.43 0 40.39
030320XXXXXXXX 鼻中隔弯曲症 22 8 6.63 0 36.41

 鼻・咽頭・喉頭・頚部の疾患に対する治療のうち、主に手術や急性炎症症例の入院加療を行っています。手術は慢性扁桃炎、扁桃肥大症、アデノイド増殖症に対するものが最も多く、急性炎症は急性扁桃炎や重篤な病態である扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎症例が多くを占めます。また保存的治療で改善がない慢性副鼻腔炎や鼻炎に対し鼻内内視鏡下鼻副鼻腔手術を行っています。
 当院では、急性難聴である突発性難聴に対する高気圧酸素療法を行っています。ステロイド全身投与を併用し高気圧酸素療法は1日1回、計12回の治療を行うため、入院期間が13日程度となります。高気圧酸素療法目的に近隣のクリニックから多くのご紹介をいただいています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020XXXXXXXX 帯状疱疹 39 9.77 8.98 10.26 73.97
080010XXXX0XXX 膿皮症 処置1なし 33 12.85 12.51 3.03 66.36
080080XXXXXXXX 痒疹,蕁麻疹 - - 6.36 - -
080100XXXX0XXX 薬疹,中毒疹 処置1なし - - 10.65 - -
161060XX99X0XX 詳細不明の損傷等 手術なし 処置2なし - - 3.27 - -

 当院は救急病院であり、入院患者は感染症が大部分を占めています。ウイルス感染症の帯状疱疹と細菌感染症の蜂窩織炎・丹毒が主体となっています。感染症以外では、全身症状を伴う重症型薬疹やウイルス性発疹症も比較的多い状況です。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080XX991X0X 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 定義副傷病なし 111 2.06 2.53 0.9 72.94
110070XX0200XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし 75 6.69 7.2 2.67 74.73
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 処置1なし 定義副傷病なし 48 7.19 5.62 6.25 64.98
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし 41 10.68 12.58 12.2 70.12
110070XX99X20X 膀胱腫瘍 手術なし 処置2 2あり 定義副傷病なし 21 13.14 10.97 0 72

 当科において入院患者数が最も多いのは、前立腺がん疑いで前立腺生検のため入院する患者さんです。経直腸的前立腺生検を一泊二日で行っています。前立腺がん患者さんは年々増加しており、可能な限り早期発見に努めています。次に多いのが膀胱がんです。多くは表在性膀胱がんであり、それらに対し経尿道的切除を行っております。膀胱がんは膀胱内再発の多いがんであり、再発予防のため外来にて膀胱内に薬剤を入れる膀胱内注入療法などを行ったりし、できるだけ膀胱を温存できるようにしています。それに続くのが尿管結石症で経尿道的結石除去術を受ける患者さんです。当院では体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経皮的尿路結石除去術(PNL)も行っており、症例により適切な治療法を選択しています。次に多いのが尿路感染症です。救急病院であり、尿管結石などによる閉塞性腎盂腎炎からの敗血症のような重症感染症も多く、できるだけ早く尿管ステント留置などにより閉塞解除するようにしています。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 51 12.76 12.05 5.88 68.16
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術,吻合術 その他の動脈等 処置2なし 定義副傷病なし 19 13.63 8.75 0 64.26
110280XX991X0X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1あり 定義副傷病なし 11 12.09 7.18 0 36.27
100393XX99XXXX その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 10 14.8 10.03 10 74.8
110260XX99X0XX ネフローゼ症候群 手術なし 処置2なし - - 21.4 - -

 当院では、腎疾患に関しては検尿異常精査から腎生検、腎炎の治療まで行います。腎不全に対しては積極的な進展予防に取り組んでおります。腎生検のための検査入院及びその後の治療、腎炎の治療(ステロイドなどの薬物療法)、腎不全の教育入院などを行っております。また、電解質異常などの精査も行い、治療を検討しております。腎不全が進行すればアクセス作成・透析導入も行っております。急性腎不全は多くの救急患者や重症患者が入院されるため他科の担当医と当科の共同で治療を行うことも多く、表には挙がらない多くの治療実績があります。

透析内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX02X1XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術,吻合術 その他の動脈等 処置2 1あり 22 48.45 35.72 22.73 62.27
180040XX99X0XX 手術・処置等の合併症 手術なし 処置2なし 14 10.93 9.93 21.43 68.14
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 13 15.31 12.05 7.69 66.46
110280XX99010X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1なし 処置2 1あり 定義副傷病なし 13 16.46 14.21 0 61.08
110280XX99020X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1なし 処置2 2あり 定義副傷病なし - - 8.77 - -

 腎臓内科で透析導入となった患者さんは、担当医は継続のまま透析内科の扱いとなります。当科では基本的に院内外の透析患者の合併症の入院管理を行っており、多くは内科的な合併症やブラッドアクセスのトラブルなどの診療となります。外科手術や、内視鏡処置などは専門診療科が担当となり、当科が併診する形となります。

リウマチ膠原病内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 25 8.88 15.58 4 60.08
130120XXXXX01X 血液疾患(その他) 処置2なし 定義副傷病あり - - 22.54 - -
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病なし - - 12.58 - -
180010X0XXX0XX 敗血症(1歳以上) 処置2なし - - 19.01 - -
070560XX97X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 処置2なし 定義副傷病なし - - 27.07 - -

 リウマチ膠原病内科の入院症例を層別化して概観すると、①血管炎症候群(39%)、②関節リウマチ類縁疾患(19%)、③全身性エリテマトーデス(17%)、④感染症・日和見感染症(15%)、⑤皮膚筋炎・多発筋炎(6%)、⑥血球貪食症候群(4%)のような構成疾患群から成り立っています。最近のサイトカイニン療法や分子標的薬などのピンポイントにデザインされた新薬の登場により、免疫病(リウマチ・膠原病・血管炎・自己炎症疾患群)の寛解導入が比較的容易となっている反面、感染症・日和見感染症や随伴性疾患も発症しやすくなっています。このため、外来継続寛解維持療法と同時に感染制御にもシームレスに継続加療していくことが肝要です。
 当科では、今後も先進医療を導入しながら、新薬ラッシュの恩恵を間髪入れずに患者さんに導入し高効率の治療選択ができるように治療基盤整備を推進していく方針です。

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 処置2なし 定義副傷病なし 54 3.94 3.56 12.96 43.63
160100XX99X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 42 2.62 7.35 14.29 59.29
170020XXXXXX0X 精神作用物質使用による精神および行動の障害 定義副傷病なし 34 1.76 2.78 2.94 55.09
030400XX99XXXX 前庭機能障害 手術なし 28 4.68 5.1 3.57 66.68
160100XX97X00X 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 27 4.26 9.69 14.81 75.48

 当院救命救急センターは、病院運営方針にも掲げられた「救命救急医療を通じ、断らない医療を推進する」を基本原則に、年間10,000件以上の救急搬送患者を受け入れています。当科は各診療科と連携を取り、24時間365日、さまざまな救急疾患に対応できる診療体制を整えています。
 救急科では初期対応を行い、診断が確定した時点で必要に応じ各専門診療科に引き継ぎをしますが、重症度の高い多臓器にまたがる患者さんや、特に多発外傷や中毒などの重症患者については救急科が主治医となり入院治療を行います。当科が診療を担当する最も多いのは中毒患者で、精神科などと連携を取り対応を行っています。数日で退院できる患者さんも多いですが、重症患者は集中治療室での管理を行います。その他、多様な疾患を抱え、かつ患者さんを他科へ転科することの多い当科ではDPC上の統計に表れにくいですが、頭部外傷や誤嚥性肺炎、前庭機能障害といった患者さんの診療も多く受け持っています。

神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110XXXXX40X 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 処置2 4あり 定義副傷病なし 26 15.88 16.16 11.54 54.88
010155XXXXX20X 運動ニューロン疾患等 処置2 2あり 定義副傷病なし 13 16.23 16.35 0 79.69
010160XX99X10X パーキンソン病 手術なし 処置2あり 定義副傷病なし - - 19.73 - -
010130XX99X4XX 重症筋無力症 手術なし 処置2 4あり - - 17.57 - -
010155XXXXX00X 運動ニューロン疾患等 処置2なし 定義副傷病なし - - 13.66 - -

 神経内科では、免疫介在性・炎症性ニューロパチーが増加傾向にあり、治療の進歩(大量免疫グロブリン投与など)により転帰良好な症例が多く見られます。運動ニューロン疾患に対しては、神経学的所見・電気生理学的検査を中心に診断しています。パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症といったパーキンソン病関連疾患(基底核等の変性疾患)では、外来を中心にMRIやドパミントランスポーター(DAT)スキャン、心筋シンチグラムなどの検査法を実施して診断を行い、L-dopaと補助薬などによる薬物治療を行っております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 47 11 40 66 - 78 1:UICC TNM分類 第7版
大腸癌 46 46 132 238 17 100 1:UICC TNM分類 第7版
乳癌 38 12 - 19 - 28 1:UICC TNM分類 第7版
肺癌 11 - 45 108 17 91 1:UICC TNM分類 第7版
肝癌 - - - - - - 1:UICC TNM分類 第7版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 当院は地域がん診療連携拠点病院として指定を受けております。
 UICC病期国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つのカテゴリーによってがんを早期(I期)から末期(IV期)に分類したものです。当院を受診されるがん患者さんの特徴は、進行がん(IV期)の割合が多いということです。当院では進行がんの患者さんの治療を断ることはありません。手術適応のない進行したがん患者さんも積極的に受け入れております。
 がんと診断された日から、がん相談・診療支援センターや緩和センターが積極的に介入を開始し、患者さんや家族の考えを十分に考慮しながら治療を行っております。
 胃がん、大腸がん、肺がんのロボット支援手術も積極的に実施しております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 26 15.04 77.73
重症 11 15.73 82.27
超重症 - - -
不明 - - -

<A-DROPシステム(重症度分類)>
1.男性≧70歳、女性≧75歳
2.尿素窒素≧21 または脱水
3.酸素飽和度≦90%
4.意識障害
5.収縮期血圧≦90mmHg

軽 症:1~5いずれも満たさない
中等症:1つまたは2つを有する
重 症:3つを有する
超重症:4つまたは5つまたはショック
不 明:1~5のうち1つでも不明であったもの

 市中肺炎とは、一般社会生活を送っているに人に見られる肺炎のことをいいます。免疫低下した状態の方や病院内で発生した肺炎、明らかな誤嚥による肺炎などは除かれます。市中肺炎は、成人市中肺炎診療ガイドラインに示された症状・身体所見・年齢による重症度分類(上記A-DROPシステムを参照)により重症かどうかが判断され、治療の場所や内容が決定されます。
 軽症(重症度スコア0)の患者さんは外来で治療することもありますが、中等症(重症度スコア1~2)、重症(重症度スコア3~)の患者さんは入院のもとで治療を行います。治療は抗菌薬と中心とした薬物療法が主体となりますが、患者さんの呼吸不全の程度に応じて酸素療法、人工呼吸管理といった呼吸管理を行います。当院では中等症以上の患者さんが入院治療の中心となっています。軽症に比べて、中等症や重症では高齢の患者さんが多くなる傾向にあり、また重症度が上がるほど呼吸不全や他の臓器の合併症が増加するため、長い治療期間を要しています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 486 23.23 73.84 44.44
その他 107 18.05 69.88 21.5

 脳梗塞の入院患者総数は593人です。このうち、発症3日以内の急性期入院が82%と多くを占め、救急中心の診療体制を取っています。平均年齢は73.1歳で、高齢化は進んでいます。平均在院日数は22.5日、転院率は40.3%で、早期からの治療・リハビリテーションを行うことにより、半数の患者さんが自宅や施設に帰られています。回復期リハビリ病棟を中心とする転院先との連携を深め、地域に根ざした切れ目のない医療・介護体制の構築に努めています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満  323 1.02 1.92 0 67.94
K654 内視鏡的消化管止血術 73 0.51 9.23 15.07 70.38
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 64 2.8 13.73 10.94 71.33
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 58 2.45 10.43 20.69 76.21
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 40 1 2.4 2.5 66.03

 当院消化器内科では年間6,000件を越える内視鏡検査および治療を行っており、当科における診療の主体を成しています。内視鏡を用いたさまざまな検査や治療のほとんどを行うことが可能で、中でも胃・大腸をはじめとした消化管腫瘍性病変の内視鏡を用いた治療は年間約450件行なわれています。
 大腸ポリープといわれる大腸の腫瘍性病変に対する治療は年間約400件行われています。通常は2泊3日程度の入院の上で、スネアという器具を用いた内視鏡的大腸ポリープ切除術を行うことが多く、病変が比較的小さな場合には外来での日帰り治療も行っています。また2cmを超えるような大きな病変に対しては粘膜下層剥離術という手法を用いて内視鏡を用いた切除術を行うことが可能です。これらの治療で根治が期待できる病変は腺腫という良性の腫瘍、および粘膜から粘膜下層表層(腸壁の浅い部分まで)にとどまるがんであり、それ以上深く浸潤したがんに対しては根治が期待できないため、外科的な腸管切除術による治療が望まれます。
 近年、脳梗塞や心筋梗塞などのご病気を患われている、またはその予防目的に抗血栓薬という血液を固まりにくくするお薬を服用している方が多くみられ、このような患者さんにおいては抗血栓薬を休薬しないと内視鏡を用いた病変の切除術を行う事ができない場合があります。抗血栓薬を内服されたまま治療を行うと出血の危険性が高くなるわけですが、休薬する事により落ち着いていた脳梗塞や心筋梗塞が再発する危険性もあります。当院では10ミリ未満の小さな腺腫に対しては抗血栓薬を内服したままで治療を行うことが可能であり、良好な治療成績が得られています。ただし抗血栓薬の種類や数によっては治療を行うことができない場合もありますので、そのような場合には医師に相談していただくことが望まれます。
 胃や食道の浅いがんに対しても大腸の大きな病変と同様に、上述した粘膜下層剥離術という手法を用いて内視鏡を用いた切除術を行っています。
 当院では救急搬送される患者さんが多いことも特徴の一つです。その中で胃・十二指腸潰瘍や、大腸憩室という大腸壁がふくろ状に拡がった部分からの出血など、さまざまな消化管出血により救急搬入される方が多くいらっしゃいます。このような患者さんには内視鏡を用いた止血術を行い、良好な治療成績が得られています。また数は少ないのですが、小腸から出血を来すような場合もあり、そのような場合にはカプセル型の内視鏡を用いた診断や小腸用の内視鏡を用いた止血術を、内視鏡で止血が困難が場合には当院放射線科の医師と連携した血管造影下での止血術を行っています。
 胆石・胆のう炎、胆管結石に伴う胆管炎などの患者さんも数多く緊急搬送されます。ここでも内視鏡の果たす役割は大きく、胆管結石に伴う胆管炎の患者さんに内視鏡を用いて、十二指腸の乳頭部という胆汁の出口を切開し、引き続き採石や胆管ドレナージ術(プラスチック製のチューブを胆管に挿入することで胆汁の流れを良くする方法)を行っています。胃の手術を受けた方で、手術後に胃や腸の吻合方法が複雑な方が胆管結石に伴う胆管炎を発症した場合、通常の内視鏡を用いた方法では採石や胆管のドレナージ術を行う事が困難な場合もありますが、当科では専用の内視鏡を用いて採石や胆管ドレナージ術を行うことが可能です。また胆のうや胆管、肝臓、膵臓などのがんを原因として胆汁の流れが悪くなることで生じる黄疸(閉塞性黄疸)の患者さんに対しても、金属ステントという網目状の筒型金属を用いた胆管ドレナージ術を行っています。

脳血管内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 33 0.03 27.48 81.82 80.03
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 13 11.62 10.38 7.69 74.31
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
K1492 減圧開頭術 その他の場合 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -

 今や脳梗塞は急性期の緊急再灌流療法によって治すことができる病気になりました。2015年にその効果が世界的に確認された「急性期脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術」を中心に、当科の脳血管内カテーテルによる再灌流療法の治療件数は年々増加し、当院は福岡県南地域における包括的な脳卒中センターとして重要な役割を担っています。脳動脈硬化が高度な脳血管閉塞に対しては「経皮的脳血管形成術」が、血栓回収術と併用して行われる場合があります。
 急性期脳梗塞では、元々は元気な方に以下のような症状が急に出現します。片側の手足の脱力(片麻痺といいます)、顔面麻痺や呂律不良、重症例では意識障害で受け答えが鈍くなり、会話ができなくなったり、共同偏視という眼球が左右一定方向に固定する症状を伴ったりする場合があります。本治療法は一刻も早く行うことで、より高い治療効果が得られ、後遺症を軽減することがわかっていますので、ご自身やご家族の方にこの様な症状が見られた場合は、直ちに救急車を要請してください。私どもは脳梗塞の患者さんの更なる機能改善と社会復帰の増加を目指して、迅速な治療がいつでも提供可能な体制の維持・整備に今後とも努めてまいります。
 当院ではその他にも、高い脳卒中予防効果が確認されている「経皮的頸動脈ステント留置術」や「未破裂脳動脈瘤に対する瘤内コイル塞栓術」などの治療も積極的に行っています。治療を希望される方は、まずかかりつけの先生とよくご相談ください。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 84 2.81 3.62 3.57 69.13
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 83 1.48 2.47 0 64.95
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 55 0.11 11.27 3.64 69.56
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 33 0.09 14.03 3.03 73.7
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 21 1.67 2.76 0 60.76

 循環器内科における手術としては、カテーテルによる冠動脈形成術(冠動脈ステント留置術)と心筋焼灼術が主になります。
 急性心筋梗塞や不安定狭心症に対する冠動脈形成術は、入院後に緊急で、もしくは準緊急で速やかに実施できる体制を整えています。穿刺部位により出血性合併症発生率が異なりますので、原則として低侵襲アプローチとし、在院日数の短縮、転院率の抑制を図っています。慢性虚血性心疾患に対する待期的冠動脈形成術は原則として入院翌日に実施していますが、急性心不全の精査加療中に明らかとなり実施することも少なくありませんので、一様ではありません。冠動脈形成術の実施にあたっては、圧センサー付きワイヤーなどを利用しての心筋虚血評価、CTでのMMAR測定などによる灌流心筋量評価を合わせて適応を決定します。治療にあたっては、CTによるSlab MIP画像を利用した綿密な治療方針構築による成功率の上昇、また遠位橈骨動脈アプローチを利用したスレンダーPCIによる合併症の抑制を図っています。
 カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)は、上室性頻拍、WPW症候群、心房粗動、心房細動などの頻拍性不整脈に対する治療です。非常に有効で低侵襲な治療ではありますが、緊急で必要となることは稀な治療でありますので、適応判断は慎重に行っています。そのため、平均年齢、転院率ともに、冠動脈形成術に比較して、低く、在院日数も短くなっています。2019年からはクライオアブレーション(冷凍焼灼術)を導入し、さらに効率的な治療を予定しています。
 表以外にも、徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療や下肢動脈疾患に対するカテーテル治療などの手術も行っています。

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの 19 0.32 3.84 0 2.11
K300 鼓膜切開術 12 3.92 4.17 0 0.67
K0011 皮膚切開術 長径10cm未満 - - - - -
K367 咽後膿瘍切開術 - - - - -
K060-31 化膿性又は結核性関節炎掻爬術 肩、股、膝 - - - - -

 当院小児科では、血便が出現する前症状である頻回嘔吐や泣き止まないなどの不機嫌な症状を認めた場合には腸重積症を鑑別に挙げ、救急外来診療において腹部エコーを施行しています。症状出現から早期 (12時間以内) に救急外来を受診することが多く、早期診断にて非観血的な整復が可能となっています。
 入院患者さんは呼吸器感染症が多いため、急性中耳炎・頚部化膿性リンパ節炎・咽後膿瘍などを合併しているケースを多く認めます。解熱傾向に乏しい場合には耳鼻いんこう科に院内紹介し、鼓膜や咽後膿瘍の切開術を行っています。皮下膿瘍に関しては、小児外科や皮膚科において切開術を行っています。また、発熱を伴う関節部位の腫脹や発赤を認めた場合は、整形外科にて診断・処置を含めた穿刺や掻爬術を実施しています。当院は救急病院であり、中枢神経疾患(意識障害・けいれん重積)を主訴に急性脳炎脳症などが小児ICUに入院となります。重篤な脳の後遺症を残した症例においては耳鼻いんこう科にて気管切開術を行い、呼吸管理を行っています。

小児循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 21 2.57 3.14 0 19
K5621 動脈管開存症手術 経皮的動脈管開存閉鎖術 10 1.7 2.2 0 3
K5761 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの 10 4.5 8 0 0.2
K5741 心房中隔欠損閉鎖術 単独のもの - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) その他のもの - - - - -

 当科はカテーテルという細い管を使って胸に傷をつけずに治療を行うカテーテル治療を日本で始まってから間もない1980年代より行っています。上記表で経皮的とはカテーテルを用いた方法の意味です。ただすべての心臓病の治療ができるものではなく、開胸開心術が絶対必要な複雑な心臓病もあり、カテーテル治療と開胸開心術は先天性心臓病を治療する上での車の両輪の役割だと考えています。
 設立当初のカテーテル治療は動脈管開存症に対してporstman法や初期のバルーンを用いた肺動脈弁拡大術などを行っていましたが、技術や診断機器、道具、デバイスの進歩とともに多くの疾患に適応できるようになりました。2006年からはAmplatzer閉鎖栓(ASO)を使用した心房中隔欠損症のカテーテル治療を九州で最初の認可施設として開始し、小児期から80代の高齢者まで幅広く治療しています。また、2009年よりAmplatzer動脈管閉鎖栓(ADO)を用いた動脈管開存カテーテル治療の認可施設としての治療も行っています。ASOを使用した心房中隔欠損症の治療は483例(2019年7月31日現在)、ADOを用いた動脈管開存カテーテル治療は85例(2019年7月31日現在)で、九州内各県よりご紹介いただいています。
 2015年よりハイブリッド手術室の導入により、心房中隔欠損症やステント留置などの複雑なカテーテル閉鎖術はより清潔で安全に治療できるようになりました。そのほか新生児動脈管ステント留置術や動脈管コイル塞栓術、大動脈や肺動脈のバルーン弁拡大術、新しい閉鎖栓(vasucular plug)による側副血行路塞栓など積極的に行っています。また2016年2月から新しい心房中隔欠損症の閉鎖栓であるOcclutech Figulla Flex Ⅱというデバイスの認可がおり、今まで閉鎖困難であった方々も治療が可能となりました。またADOの改良版であるADOⅡデバイスも使用可能となっています。
 カテーテル治療ができない方たちは、開胸での心臓手術が必要となりますが、手術前後の管理は新生児科・心臓血管外科・麻酔科・小児科・産婦人科と協力して行っています。2018年は成人先天性を含めた先天性心臓病開心術45例(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症、房室中隔欠損症、グレン手術、フォンタン手術など)を含めた先天性心臓病手術54例の術後管理を行いました。外来通院からカテーテル検査・治療、術前・術後管理、外来フォローまで責任をもって治療を行い、できるだけお待たせしないような治療・手術計画を立てるようにしています。 また今後、新しいカテーテル治療用のデバイス(治療用具)が認可される予定で、カテーテル治療可能な疾患が広がっていくことになります。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 131 3.21 6.68 6.11 59.47
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 55 7.87 16.16 9.09 71.02
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 50 2.16 10.88 2 67.7
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 32 1.44 5.34 0 37.44
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの 30 1.3 9.67 3.33 42.27

 外科では、胃がん、大腸がん、食道がん、肝がん、胆道がん、膵がんの悪性腫瘍をはじめとした手術を施行しています。2018年度の消化器・一般外科の手術数は925例でした。当院は年間約10000台以上の救急車を受け入れる救急病院で、外科手術の35%は緊急手術(急性虫垂炎、急性胆嚢炎、消化管穿孔、腸閉塞など)です。待機手術に関しては、消化器内科、放射線科、病理診断科などの専門医と連携し、患者さんに最良な治療法を提供できよう努めています。
 当院は地域がん診療連携拠点病院です。近年は身体にとって低侵襲である腹腔鏡手術に積極的に取り組み、胃がんの81%、大腸がんの96%を腹腔鏡手術で行っています。2018年からは、早期胃がんに対するロボット支援手術を導入しています。また、当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医制度認定施設であり、高度技能指導医のもと、肝がん、胆道がん、膵がんなどの高難易度手術も積極的に行い、患者さんに安全で質の高い医療を提供できるよう努めています。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 28 2.18 7.93 0 57
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 26 1.38 10.85 3.85 66.88
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 17 1.82 12.06 5.88 61.59
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 16 1.13 7.38 0 59.75
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) - - - - -

 当院は、地域がん診療連携拠点病院として乳がん治療に対し専門的なスタッフをそろえ、診断、手術(乳房再建含む)、薬物治療、放射線治療、リンパ浮腫治療など乳がん治療に必要なすべての治療を行うことができます。化学療法に関しては、患者さんが安心して化学療法を受けられるように静脈ポート(持続注入用植込型カテーテル)留置を推奨し行っています。乳房全切除や乳房部分切除も患者さんの希望と病変の広がりに応じて適応を判断します。標準治療としてのセンチネルリンパ節生検は、色素法に加え赤外線法を用いたリンパ節検出法とOSNA法を用いた転移の診断法を取り入れています。

移植外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K780-2 生体腎移植術 - - - - -
K783-3 経尿道的尿管ステント抜去術 - - - - -
K6331 ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

 移植外科では2015年11月より生体腎移植プログラムを開始し、年間10例前後、これまでに36例の生体腎移植を実施しています。また、2019年から献腎移植実施施設として献腎移植登録を開始しています。

小児外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 88 0.99 1 0 4.2
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 88 0.44 1.01 0 3.88
K836 停留精巣固定術 46 0.33 1 0 2.22
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 45 1.24 5.67 0 11.36
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 32 0.38 1 0 2.22

 代表的小児外科疾患である鼠径ヘルニアの古典的手術と腹腔鏡下の手術が、それぞれ上位を占めます。停留精巣や臍ヘルニアも代表的な小児外科疾患であり、鼠径ヘルニアとともに定例手術の中心です。また、当院は小児救急医療にも力を入れており、虫垂炎の患者さんも多い特徴があります。
 いずれの疾患においても、術前・術後ともに無駄な入院期間が生じないように速やかな入退院で円滑な治療を行うことを心がけています。自院での治療完結が達成されているのも特徴です。

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 42 1.24 4.05 2.38 19.19
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満 16 1.06 1.25 0 11.56
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm以上4cm未満 15 1.07 2.33 0 19.6
K016 動脈(皮)弁術、筋(皮)弁術 14 12.14 29.29 14.29 56.93
K013-21 全層植皮術 25cm2未満 14 5.86 16.29 0 45.21

 当院は救急病院であり顔面骨骨折の手術が多くなっております。そのため鼻骨骨折徒手整復術、眼窩底骨折手術が上位を占めており、外傷による皮膚広範囲欠損に対しては動脈皮弁術や植皮術で創部の被覆や再建術を行っております。そのほか入院が必要な小児や高齢者の皮膚腫瘍の治療を行っております。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 265 4.02 20.06 84.15 76.83
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 101 5.43 19.97 39.6 53.95
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 96 7.14 22.7 88.54 82.78
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足) 48 4.9 16.67 22.92 46.79
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 43 1.14 7.95 0 34.19

 大腿骨近位部骨折は高齢者に多く、転倒などの軽微な外傷で起こります。治療方法としては、骨接合術や人工骨頭置換術などの手術を行う必要があります。麻酔科と協力して手術までの待機日数の短縮に努めてきたことで、2018年度の平均待機日数は4.5日にまで短くなりました。7割以上の患者さんが、入院後5日以内に手術を行っています。
 患者さんが手術を受けた後、歩行能力を再獲得するためには術後のリハビリも大変重要です。当院は、術後の早期リハビリ開始にも力を入れており、近隣の回復期リハビリ病院などとも連携して、継続的なリハビリの提供に努めています。
 骨内異物除去術(抜釘術)を受ける患者さんは、以前は入院いただく方が多かったのですが、最近は日帰り手術も可能となり、患者さんやご家族の負担軽減にも繋がっていると思います。
 当院は救急病院であり、上肢、下肢、脊椎、骨盤などさまざまな部位を骨折された患者さんが来院されます。緊急を要する開放骨折や難易度の高い複雑な骨折も多数治療を行っております。
 常に安全かつ精度の高い手術の提供に心がけるとともに、良好な機能回復に努めています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 60 2.53 6.08 1.67 26.07
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 22 2.41 8.68 0 71.23
K5132 胸腔鏡下肺切除術 その他のもの 11 2.09 8.36 0 69.91
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術 10 2.2 11 0 51.9
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 10 1.9 12.6 0 69.2

 ロボット支援手術は、縦隔腫瘍、肺悪性腫瘍手術とも十分な実績を積み、保険診療による手術が可能です。
 ロボット支援手術、胸腔鏡下手術、開胸手術などの中で、患者さんの病態に合わせた最善の方法を検討し、治療を行なっています。
また、気胸に関しても成長期から成人、難治性も含めさまざまな治療法に精通しています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 92 1.12 15.25 28.26 78.78
K0004 創傷処理 筋肉、臓器に達しないもの(長径5cm未満) 37 0.08 13.27 27.03 67.27
K1781 脳血管内手術 1箇所 31 3.48 26.84 25.81 60.68
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 25 2.28 32.36 48 68.24
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 19 9.05 40.37 31.58 63.68

 2008年から本格的に開始した脳血管内手術は順調に件数を重ねており、近年は年間100件を超えています。2018年度も過去最多を更新しました。当院の特徴として小児の脳卒中も多く、破裂の脳動静脈奇形(AVM)やモヤモヤ病といった脳血管奇形や先天疾患も多く見られます。当院での血管内手術はほぼ全てハイブリッド手術室で行っていますが、特にこうしたAVMなどの困難な症例においては、当院の特徴である”バイプレーン”でのハイブリッド治療が可能であり、カテーテル手術と開頭手術を同時に、それぞれの質を落とすことなく施行しております。
 昨年から今年にかけて、脳神経センターでは小児神経外科認定医、神経内視鏡技術認定医、内分泌専門医など専門医の取得が進んでいます(下記参照)。内視鏡設備等も配備され、特に小児領域・脳腫瘍においても力を入れております。

〇日本脳神経外科学会 専門医:7人(うち指導医4人)
〇日本脳神経血管内治療学会 専門医:4人(脳神経外科3名、脳血管内科1名)
〇日本脳卒中学会 専門医:3人
〇日本神経内視鏡学会 技術認定医:2人
〇日本小児神経外科学会 認定医:1人
〇日本内分泌学会 内分泌代謝科(脳神経外科)専門医:1人

 手術器具に関しては、昨年新たに神経内視鏡システムを導入しており、神経内視鏡技術認定医・内分泌専門医も常勤となり、下垂体疾患にも対応しています。バイプレーンの血管造影装置を備えたハイブリッド手術室、ナビゲーションシステム・術中のモニタリングシステム(SEP・MEP・VEPなど同時8ch計測可能)・新しい止血機能も備えたCUSAも順調に稼働しており、充実した設備のもとに、より安全な手術を行うべく努力しております。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 19 8.84 29.53 31.58 70.58
K5606 大動脈瘤切除術(吻合・移植) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) 11 2.55 17.18 9.09 74.64
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 10 4.7 14 10 77
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K5551 弁置換術 1弁のもの - - - - -

 当院心臓血管外科は、新生児心疾患から成人心疾患を含めた心疾患および血管疾患に対する手術を行っています。最近では動脈硬化を原因とする、虚血性心臓病、大動脈弁狭窄症、閉塞性動脈閉塞症、大動脈瘤が最近増加傾向にあります。狭心症に対する冠動脈バイパス手術は、内科的治療の発達とともに当科での手術となる症例は高齢者、重症の複合疾患や緊急対応を要する手術が多くなっています。このため、当科では早期回復のためにリハビリの介入を可及的に術翌日から行っています。患者さんに安心して帰っていただけるように、退院後も外来心臓リハビリや必要であれば連携病院でのリハビリに協力いただいています。また大動脈のステントグラフト治療はハイブリッド手術室にて対応しています。下肢静脈瘤の治療は、短期滞在手術センターにて行っています。先天性疾患については小児循環器内科を参照ください。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 150 6.25 8.02 0 33.6
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 150 3.13 8.26 0.67 32.54
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 80 0.93 4.23 0 38.75
K867 子宮頸部(腟部)切除術 77 1 3.81 0 41.36
K877 子宮全摘術 54 1.31 9.67 1.85 47

 産婦人科は、「産科」と「婦人科」の診療を担っており、入院病棟は基本的に別に設けています。
 産科は総合周産期母子医療センターを担っているため、多くのハイリスク症例のご紹介をいただきます。2018年は総分娩数が684件でその内46%の318件は帝王切開術によるものでした。選択的帝王切開術も胎盤位置異常や双胎妊娠管理に伴うもの、医院での対応困難症例などがありました。
 婦人科領域では、子宮・卵巣の良性腫瘍に対して患者さんの負担が少ない腹腔鏡手術を積極的に行い、平均術後日数の短縮に取り組んでいます。開腹手術は、良性疾患であっても重篤な合併症を有する症例や難渋すると思われる症例を集学的に取り組んでいます。がん検診による早期発見・早期治療は死亡率の低下のために重要なことです。がん検診により紹介された子宮頸部高度異形成、上皮内腫瘍などの前がん病変・初期病変に対しての早期治療として円錐切除術を行っています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 255 1.09 1.15 0.78 75.39
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 222 1.01 7.62 0.45 64.19
K2821イ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 縫着レンズを挿入するもの 26 0.92 1.31 3.85 72.46
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 26 1.19 4 3.85 59.96
K279 硝子体切除術 13 0.69 1.15 0 72.23

 日帰り手術を含めると年間1,200例以上の手術を行っていますが、水晶体再建術(白内障の手術)が最多です。散瞳不良例やチン小帯脆弱例などの難症例はもちろん、心臓病や腎機能障害、精神科疾患など全身状態に不安のある患者さんにも手術が可能です。
 また網膜剥離、黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症などの網膜疾患に対する硝子体手術に特に力を入れていますが、最近では緑内障手術にも力を入れています。流出路再建術、濾過手術だけでなく、チューブシャント手術にも対応可能です。
 最新の手術用顕微鏡、広角眼底観察システム、硝子体手術装置を2台ずつ導入し、安全かつ低侵襲の手術を目指しています。

耳鼻いんこう科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 193 0.99 5.99 0 16.01
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 35 1.17 6.26 0 50
K347 鼻中隔矯正術 22 1 6 0 36.41
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術 15 1 5.93 0 59.93
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 12 1 5.83 0 5.5

 鼻・口腔・咽頭・喉頭・頚部疾患の手術を行っています。慢性扁桃炎、扁桃肥大症に対する口蓋扁桃摘出術が最も多く、2歳以降の幼児から大人まで幅広く行っています。慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症に対し内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術を行っています。多くは保存的加療で改善しない形態異常と慢性炎症であり手術により症状の改善を図っています。頸部リンパ節腫脹を主訴に来院される方も多く、血液内科と併診でリンパ腫の診断や他疾患鑑別目的に頸部リンパ節生検を行います。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 75 1.21 5.16 4 75.32
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 49 1.08 5.2 6.12 65.2
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 26 0.62 10.85 19.23 71.12
K802 膀胱腫瘍摘出術 21 1 6.24 4.76 71.76
K8412 経尿道的前立腺手術 その他のもの 15 1.27 7.4 6.67 73.07

 手術で最も多いのは、膀胱がんに対する経尿道的切除術です。患者さんにとって膀胱を温存できるかどうかは重要な問題であり、可能な限り経尿道的手術でコントロール出来るように努力しています。次に多いのが、腎尿管結石に対する経尿道的結石除去術(TUL)です。主にホルミウムレーザーにて砕石しております。また、当院では体外衝撃波砕石術(ESWL)や経皮的尿路結石除去術(PNL)も行っており、症例により適切な治療法を検討し選択しています。次が経尿道的尿管ステント留置術です。当院は救急病院であり尿管結石による閉塞性腎盂腎炎、更に進行し敗血症となった症例も多く、できるだけ早期に閉塞を解除するように努めています。次の膀胱腫瘍摘出術は膀胱がんが疑われ経尿道的切除術を行った結果、癌細胞が認められなかったものがほとんどです。その次に多いのが前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術(TUR-P)です。今後、バイポーラメスによるTURis-Pやレーザー核出術(HoLEP)の導入を検討中です。
 また、腎がんや腎盂・尿管がんに対する手術(腹腔鏡下、開腹どちらも)なども行っています。
 今後も患者さんに侵襲の少ない手術を行っていきたいと考えています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 21 5.81 8.14 0 64.38
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6072 血管結紮術 その他のもの - - - - -

 腎臓内科で行う手術はほとんどが慢性人工透析のためのアクセス造設です。アクセスは自家静脈および人工血管を使用してのAVフィスツーラ作成、上腕動脈表在化などを行います。時に長期留置カテーテルの留置も行っております。血液透析のみのアクセスしかありませんが、腹膜透析のアクセス作成も行っております。尿管ステント留置や、内視鏡的止血術は急患で入院して受け持ったものです。

透析内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 41 2.1 11.66 17.07 69.54
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 34 9.91 26 14.71 65
K029 筋肉内異物摘出術 - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 - - - - -

 透析患者のアクセス再建は院内外のアクセストラブルに対して、経皮的血管形成(PTA)、および手術によるアクセス再建術を行っております。PTAは外来で行うことを基本にしていますが、院外からの紹介や、シャント閉塞の場合入院して頂くことも多くなっています。筋肉内異物摘出術は遺残人工血管除去や、腹膜カテーテルの抜去を指します。アクセス設置術の日数が長いのは透析導入などの関係と考えます。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.01%
異なる - -
180010 敗血症 同一 39 0.24%
異なる - 0.02%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 131 0.79%
異なる - 0.01%

 全国的に高齢化に伴い救急搬送件数や手術件数は増加しており、当院もその傾向にあります。具体的には、2018年度の手術総件数は9,122件であり2014年度の6,938件と比較して、1.31倍(予定手術1.32倍、緊急手術1.29倍)に増加しています。特に70歳代、80歳代、90歳代は予定・緊急手術ともに1.5から2倍以上と顕著に増加しています。特に緊急手術の38%は70歳以上の年齢階層となっています(予定手術件数については70歳以上のしめる割合は36%)。
 敗血症患者の発生率はここ数年で最も高く、0.2%を越えました。これは消化管穿孔や縫合不全など腹部緊急手術の増加および手術を必要としない敗血症増加などの影響と考えられますが、これらも背景には高齢化の影響があると考えられます。処置などの合併症の発生率は概ね例年並みですが、2015、2017年度を下回っています。高齢者の手術件数増加にかかわらず合併症発生はむしろやや減少していることからすると、手術室、ICU、HCU系を含めた周術期あるいはICU系の治療ケアのレベルの向上が寄与しているものと考えられます。
 DICや真菌感染症については、例年通り10症例未満となっています。

更新履歴

2019年9月30日    平成30年度 聖マリア病院 病院指標を公開しました。

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