総合周産期母子医療センター
所属診療科
概要
総合周産期母子医療センターは、1998年12月に福岡県より指定を受け、現在、母体・胎児集中治療管理室(MFICU)9床、その後方病床25床、新生児集中治療管理室(NICU)18床と新生児回復室(GCU)18床で稼働しています。周産期母子医療システムでは、一次診療所でハイリスク妊婦をトリアージし、ハイリスク妊婦は二次医療を担当する地域周産期母子医療センターに紹介します。その後、母体合併症が重症になったり、高度な新生児管理が必要となったりした場合、または胎児奇形合併妊娠などの症例は、三次医療施設としての総合周産期母子医療センターに搬送するように運営されています。しかし、筑後医療圏は、面積が広く、地域周産期母子医療センターとなる病院が存在しないことから、久留米市に久留米大学病院と聖マリア病院の2カ所に総合周産期母子医療センターが整備され、両センターが緊密に連携し、一次診療所から紹介される二次、ならびに三次救急を受け入れています。両センターとも、妊娠中の母体・胎児の管理から、生まれた新生児、産後の出血などを一貫して管理できる施設です。
近年、晩婚化とともに高齢妊婦が増加し、内科疾患合併妊婦や妊娠特有な疾患である妊娠高血圧症候群などが増加しています。また、不妊治療の技術改善とその治療費が保険適用になったことから、体外受精が身近なものとなり、以前は妊娠できなかった女性が、妊娠できるようになり、周産期医療はハイリスクの妊婦が増加しています。MFICUでは、母体ならびに胎児の管理を行うため、内科などの合併症を有する症例は、担当する合併症の専門医の先生方の協力を得ながら母体管理を行います。また、何らかの理由で胎児発育不全、胎児奇形などの先天性の異常を伴った胎児の診断・管理については、新生児専門医、小児外科、形成外科、脳神経外科など関連各科と連絡を取りながら、新生児の救命率、生後の社会生活が安心して行える最適な分娩時期を検討し、胎児の管理を行っています。当院の特徴として、母体が入院すると、産科のスタッフ、新生児科のスタッフや臨床心理士などのメディカルスタッフ間で情報を共有し、出生前の診断、出生後の治療などについて、医師と共に各スタッフが両親に説明し、出生前から出生後までご家族に寄り添い、安心して産み、育てられる環境づくりに努力しています。
一方、聖マリア病院の新生児センターは、当院のMFICUで出生した低出生体重児、早産児、出生後の呼吸障害等の児の管理はもちろんのこと、一次診療所(産科クリニック)で生まれた新生児に仮死、呼吸障害などが発生すれば、連絡を受けると同時にテレビ電話で児の状態を確認し、応急処置の指示を行うとともに新生児専用救急車で出生児を迎えに行き、現地での処置、当院への搬送、診断・治療を行っています。このように、紹介を受けた産婦人科施設との連携を密にし、安心して産める地域医療に寄与しています。
未婚率の増加は少子化を助長し、その上、コロナ禍で日本の出生児数は急激に減少しています(図1)。筑後医療圏の出生児数も年々減少し、コロナ禍では里帰り分娩も減少したため、分娩施設では顕著に分娩数が減少し、当院でも急激な分娩数の減少が見られています。コロナ禍がやや落ち着き、分娩数は徐々に改善傾向にありましたが、23年は、全国における総出生数が約72万人となり、地方都市である筑後医療圏も急激に減少しています。当病院の分娩数も減少傾向にありますが、ハイリスク妊娠は増加し、MFICUの稼働率は伸びています。今後も一次診療所の協力を得ながら、筑後地区の周産期医療の発展に努めていきます。
2023年度実績
全分娩数:582件
帝王切開数 :254件
母体搬入 :186件 (院外から聖マリア病院へ)
母体搬送 : 3件 (聖マリア病院から院外へ)
新生児入院数:421件
院内出生 :232件
院外出生 :189件

2023年度年報より/更新日時:2025年7月9日


















