高気圧酸素治療室(先進メディカルセンター内)
高気圧酸素治療とは?
HBOT : Hyper Baric Oxygen Therapy
大気圧より高い気圧環境の中で、高濃度酸素(100%)を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。

当院の治療装置
装置はカプセルやドーム状の形をしています。1人用装置では横になった状態で、多人数用装置では通常、椅子に座っていただき治療を行います。装置内では、テレビが見られますのでリラックスした雰囲気で治療が受けられます。
また、多人数用装置では、本の持ち込みもできますので読書も行えます。患者さんの声は外に聞こえるようになっておりますので、何かあればスタッフに尋ねることもできます。

高気圧酸素治療の流れ
治療は、①加圧 ②保圧 ③減圧 の3段階に分かれ約90分間です。圧力が変動している①、②の間は、耳の詰まりをとるために「耳抜き」をする必要があります。

高気圧酸素治療の目的と効果
高気圧酸素治療に伴う危険性と合併症
耳痛の対処法
加圧時、耳の痛みが発生する場合があります。我慢してしまうと中耳が炎症を起こしてしまうため、適宜耳抜きを行う必要があります。耳抜きがうまくできない場合は、飴やガムを食べることで唾液が分泌されやすくなるので効果的ですので持参してください。
2.あくびのように口を大きく開ける
3.バルサルバ法:鼻をつまみ、口を閉じて風船を膨らますように息を吐く

気圧外傷
中耳腔、副鼻腔、肺など空気を含む組織は圧力の変化による影響を受ける可能性があります。
① 聴器障害:外耳道と中耳腔・内耳腔に圧力障害が生じ、耳痛及び耳漏が起こることがあります。
② 副鼻腔障害:慢性副鼻腔炎による洞口狭窄、急性鼻炎、感冒などによる腔内と外界に圧力差を生じ、顔面痛、鼻出血等が起こることがあります。
③ 歯痛:生活歯において歯冠もしくは充填物と歯の間隙が存在する場合に起こることがあります。
④ 肺損傷(気胸、出血):減圧中の呼吸停止により肺胞内圧が外界より高くなった時に起こることがあります。
酸素中毒
過剰な酸素投与によって起こる可能性(11376回の治療中4例)の報告があります。また、併用している薬(抗癌剤、ステロイド等)によっては、酸素中毒になりやすくなることもあります。症状としては、全身の痙攣や呼吸困難、間質性肺炎、めまい、悪心、視野狭窄、脱力感などがあります。
減圧症
急速かつ過大な減圧によって起こることがあります。症状として関節痛、筋肉痛、気胸、胸痛、鼻出血等の症状が現れます。
炭酸ガス中毒
換気が不足すると起こることがあります。
低血糖症状
糖の代謝が悪いと低血糖発作が起こることがあります。
高圧性徐脈
脈拍数が減少することがあります。
次のような方は治療を受けられないことがありますので、担当医にご相談下さい。
高気圧酸素治療に関する注意事項
当院は救急指定病院のため、救急患者の治療を優先することがあります。その際は、治療時間の変更や治療の延期をお願いすることがありますのでご了承下さい。

例)マッチ、ライター、タバコ、カイロ、電子機器、ボールペンetc…
適応疾患と限度回数について

近年の治療実績

更新日時:2025年8月28日


















