循環器内科
診療内容・診療目標
当院は多くの救急車搬入を受け入れる病院ですので、循環器内科も救急患者対応が大きな診療の柱で、入院患者の約半分が救急患者です。8人の循環器内科スタッフと田代英樹・循環器センター長で昼夜を問わず、緊急処置が必要な循環器疾患の患者さんを受け入れています。
外来では地域医療支援病院として、かかりつけ医から紹介いただいた患者さんを診療することが大きな柱です。紹介いただいた患者さんは優先的に診療し、スムーズな医療連携を図るようにしています。循環器疾患も多岐にわたり、専門化してきましたので、不整脈外来、血管外来、成人先天性心疾患外来などを開設しています。
2019年9月より発作性心房細動に対してクライオバルーンアブレーションを導入しました。肺静脈1本を1回の冷却(約3分)で隔離できる画期的なデバイスで、短時間、低侵襲かつ安全性の高い治療です。週2?3日のアブレーション治療を行っていますので、抗凝固療法が十分な場合には不整脈外来受診から最短で1?2週間で治療できます。また従来のペースメーカーや植え込み型除細動器、両心室ペースメーカーに加え、小型のリードレスペースメーカー、静脈リードを使用しない完全皮下植え込み型除細動器などの治療も積極的に行っております。
17年6月より心臓カテーテル検査時穿刺部位として遠位橈骨動脈アプローチを導入しました。徐々に一般的となっており、20年7月に出版されたテキストの一部を担当させていただきました。今後も普及に貢献したいと考えています。
われわれの大きな役割は、多くの患者さんに良質の医療を速やかに届けることであります。そのため、まれな病態、疾患に対しては、久留米大学や九州大学と提携して診療に当たっています。もちろん、最新の医療を提供するために多くの臨床研究を行い、国内外の学会、ライブコースにも参加し、演題発表を行うとともに、最先端の医療技術を取り入れるよう尽力しています。
取り扱う主な疾患
地域の医療機関と連携し循環器疾患に広く対応しています。主な診療内容について紹介します。
1. 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)では、早期の血流再開が大切ですので、循環器内科医が院内に常駐し、いつでもカテーテル検査を行える体制を取っています。慢性冠疾患に対しては、検査を適宜実施し、適切な治療方針を判断します。
2. 心不全
救急患者には迅速な対応、早期の症状軽減を図っています。原因に応じた治療が大切ですので、画像検査、カテーテル検査などで鑑別し、薬剤療法、カテーテル治療、外科治療、再同期療法(CRT)などの治療を行っています。
3. 不整脈
脈が速い不整脈に対してはカテーテルアブレーションを行っています。心房細動は、症状がある、心不全や脳梗塞を起こしたことがある、若年の場合などはカテーテル治療を検討します。また脈が遅い不整脈で症状がある場合はペースメーカー治療を行います。
4. 末梢動脈疾患
間欠性跛行による歩行距離の低下、下肢重症虚血による潰瘍形成に対して、血管外来で内科と外科で協力して診療します。
症例実績
2019年度の、心臓カテーテル検査件数(心カテ数)は428件、経皮的冠動脈形成術件数(PCI数)は250件、不整脈に対するカテーテルアブレーション件数は127件でした。
薬剤溶出性ステントなどによる再治療の減少、動脈硬化危険因子コントロールによる急性冠症候群新規発症の減少、PCI適応の厳格化などにより、ここ数年はPCI症例数は年々減少していましたが、19年度は久しぶりに前年度比増となりました。内訳を見ても、緊急PCI、待機的PCIいずれも増加していました。心カテ数は減少していますので、緊急症例の増加と複雑病変症例の増加によるものと考えています。
PCIの有効性については、20年に発表されたISCHEMIA試験により大きく問われているところです。一方で生理学的指標に基づくことにより心事故予防効果も示されています。われわれが中心となって実施した多施設共同臨床研究において、CTにより計測した心筋量と生理学的指標の相関を示しましたが、適応については最新の知見に基づいて判断しています。
アブレーションの内訳は円グラフに示しますが、デバイス治療についてはペースメーカー移植術35件、植え込み型除細動器移植術2件、心臓再同期療法1件、電池交換14件でした。
手術実績
※症例実績をご覧ください。
学会発表・論文など(2019年度)
外来体制
診察ブロック S |
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
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午前 |
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午後 | - |
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- | - |
診察ブロック S |
午前 | 午後 |
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月曜 |
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木曜 |
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金曜 |
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土曜 |
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*診療受付時間は8時30分~11時30分まで。診察開始は9時からです。
*完全紹介電話予約制で、新患は事前の予約が必要です。
*北田医師の外来は、手術などの都合によりますので、事前にご相談ください。
*夜間救急は地域医療支援棟1階で受け付けます。
所属医師

循環器センター長/救命救急センター副センター長
田代 英樹たしろ ひでき
- 出身大学
- 宮崎医科大学
- 卒業年
- 1987年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 学位(取得大学)
- 医学博士(九州大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会認定医
- ・日本心血管インターベンション治療学会心血管インターベンション専門医
- ・日本高血圧学会指導医
- ・JMECCインストラクター
- ・ICLSコースインストラクター
- ・ICLSコースディレクター
- 学会役員等
-
- ・日本超音波医学会九州地方会運営委員
- ・日本循環器学会九州地方会評議員
- 専門・研究分野
-
- ・循環器一般
- ・心エコー
- ・心血管インターベンション
- ・睡眠時無呼吸

循環器内科医長
大江 健介おおえ けんすけ
- 出身大学
- 佐賀医科大学
- 卒業年
- 2003年
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会認定医
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
- ・緩和ケア研修会修了
- 専門・研究分野
-
- ・循環器一般
- ・心血管インターベンション

廖 千惠りょう ちえ
- 出身大学
- 台湾大学
- 卒業年
- 2003年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 学位(取得大学)
- 医学博士(東京大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了

長岡 和宏ながおか かずひろ
- 出身大学
- 鳥取大学
- 卒業年
- 2005年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 学位(取得大学)
- 医学博士(九州大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会認定医
- ・日本不整脈心電学会不整脈専門医
- ・植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修修了
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
- 専門・研究分野
-
- ・循環器内科一般
- ・不整脈
- ・カテーテルアブレーション
- ・冠動脈インターベンション

由布 威雄ゆふ たけお
- 出身大学
- 岩手医科大学
- 卒業年
- 2006年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医

梅津 隆太うめづ りゅうた
- 出身大学
- 長崎大学
- 卒業年
- 2007年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了

三小田 周弘さんこだ ちかひろ
- 出身大学
- 九州大学
- 卒業年
- 2007年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 専門・研究分野
-
- ・循環器一般

柿野 貴盛かきの たかもり
- 出身大学
- 九州大学
- 卒業年
- 2007年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学
- 学位(取得大学)
- 医学博士(九州大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本周術期経食道心エコー認定医
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了

横山 博毅よこやま ひろたけ
- 出身大学
- 九州大学
- 卒業年
- 2017年
- 所属医局
- 九州大学循環器内科学