救急科
診療内容・診療目標
聖マリア病院の運営方針には、「救命救急医療を通じ、断らない医療を推進する」との一文が掲げられています。当院救命救急センターはこの運営方針のもと、多様な傷病、幅広い年齢層にまたがる救急患者さん(救急車やドクターヘリによる救急搬送)を年間約10,000件受け入れています。
救急医の出番は、救急車搬送の入り口であるER(Emergency Room)から始まります。救急医は、救急車やドクターヘリで搬送されてくる患者さんに対し、救急初期診療~アドバンスト・トリアージ(患者さんの状態に応じた専門治療部門との調整)の役割を担っています。時間的余裕がない救急医療の現場においては、一見軽症に見えても、その背後に重篤な疾患が隠れているようなケースが度々あります。当院のERは1日約30件もの救急車搬送を受け入れていますが、そのような中でも救急を専門とする医師がしっかりと初期診断と治療を行い、患者さんの状態を見極め、常に質の高い救急医療を提供することが、聖マリア病院救急科の使命であると考えています。
近年スタッフが充実してきた救急科の活動の場はERにとどまりません。集中治療科との連携で重症患者に対するICU管理を行うケースも増えており、病院内で急変患者が発生した際のハリーコールにも対応しています。消防救急車の救急救命士に医療行為を指示したり、共に救急搬送事例の事後検証を行うなどして、救急医療の質の向上にも取り組んでいます(メディカルコントロール)。また、災害発生時にはDMAT(Disaster Medical Assistance Team;災害派遣医療チーム)の一員として被災地へ赴くこともあり、その活動範囲は病院外にも広がっています。
当科の常勤医は12人(うち救急科専門医4人、整形外科専門医1人、脳神経外科専門医1人、外科専門医1人、循環器専門医1人)です。加えて佐賀大学医学部付属病院高度救命救急センターや岡山大学病院高度救命救急センターより非常勤医の派遣も受けており、24時間365日救急専従医が初療を担うシフトを組んでいます。
「医療従事者の負担軽減」や「医師等の働き方改革の推進」は医療界全体が抱える課題の一つですが、当科では救急医療体制を制限することなくこの課題に取り組まねばなりません。当院ERには救急医の他に専従の看護師約40人が所属しており、準夜帯に約10人、深夜帯でも約5人の看護師が配置されています。医師と看護師の連携で同時多数の救急搬送に対応可能な体制を組んでいますが、2019年2月には新たにERエイドを導入してタスクシェアを推進し、チーム医療の強化に取り組んでいます。
当科ではERとICUにおける診療を軸に据え、患者背景に関わりなく救命のために最善の治療・措置を行っています。しかし、救急医療においても「人生の最終段階」を迎えた患者さんに接する機会が増えています。当院は2019年「人生の最終段階における医療に関するガイドライン」を改定し、人生の最終段階に対する院内の考え方を整理しました。当科に所属する循環器専門医を中心に、心不全患者さんの終末期医療にも対応しています。
取り扱う主な疾患
心肺停止、ショック、意識障害、頭部外傷、胸部外傷、腹部外傷、骨盤骨折、脊髄損傷、多発外傷、急性腹症、虚血性心疾患、急性大動脈解離、重症不整脈、脳血管障害、呼吸不全、多臓器不全、敗血症、消化管出血、特殊感染症、急性薬物中毒など。
運用上、退院時の患者さんに関わる機会が少ないですが、重症~中等症~軽症に至るまで、ここには挙がらない非常に多くの診療に携わっています。
近年は専従スタッフの充実も進みつつあり、蘇生後や多発外傷などのICU管理が必要な患者さんについても、ICU在室中の診療支援を担う集中治療科と協力しながら件数を増やしつつあります。
症例実績
手術実績
※手術実績はありません。
学会発表・論文など(2019年度)
外来体制
※救急搬送症例で入院にならず帰宅となった方、救急科入院患者で自宅退院となった方に対し、必要に応じてフォローアップ外来(不定期)を行っています。
所属医師

救命救急センター長
山下 寿やました ひさし
- 出身大学
- 久留米大学
- 卒業年
- 1985年
- 学位(取得大学)
- 医学博士(久留米大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本救急医学会救急科専門医
- ・日本救急医学会指導医
- ・日本整形外科学会整形外科専門医
- ・日本リハビリテーション医学会指導医
- ・日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
- ・日本リハビリテーション医学会認定臨床医
- ・インフェクションコントロールドクター(ICD)
- 学会役員等
-
- ・日本救急医学会評議員
- ・日本救急医学会九州地方会評議員
- ・日本救急医学会高齢者救急委員会委員
- ・日本救急医学会臨床研究倫理審査委員会委員
- ・日本救急医学会医学用語委員
- ・日本臨床救急医学会評議員
- ・日本骨折治療学会評議員
- ・福岡救急医学会評議員
- ・福岡救急医学会予防救急委員
- ・日本DMAT(統括DMAT)
- ・福岡県救急業務メディカルコントロール協議会委員
- ・佐賀県メディカルコントロール協議会委員
- ・福岡県災害派遣医療チーム運営委員
- ・福岡県労災診療指導委員
- ・福岡県警察医
- ・福岡県災害医療コーディネーター
- 専門・研究分野
-
- ・高齢者救急、四肢外傷、骨・関節感染症、虐待

救急科診療部長
古賀 仁士こが ひとし
- 出身大学
- 佐賀医科大学
- 卒業年
- 1999年
- 学位(取得大学)
- 医学博士(九州大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本救急医学会救急科専門医
- ・日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
- 学会役員等
-
- ・日本DMAT
- 専門・研究分野
-
- ・脳神経

救急科主任医長/初期臨床研修プログラム副プログラム責任者
相良 秀一郎さがら しゅういちろう
- 出身大学
- 琉球大学
- 卒業年
- 2003年
- 専門医等の資格
-
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会認定医
- ・植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修修了
- ・日本心不全学会HEPT指導者講習会受講
- ・緩和ケア研修会修了
- 専門・研究分野
-
- ・循環器一般
- ・心血管インターベンション

救急科医長
井上 智博いのうえ ともひろ
- 出身大学
- 琉球大学
- 卒業年
- 2013年
- 専門医等の資格
-
- ・日本救急医学会救急科専門医
- ・歯科医師免許
- ・BLS/ACLSプロバイダー、インストラクター
- ・JATECプロバイダー
- ・JPTECプロバイダー
- ・日本DMAT隊員
- ・福岡県DMAT隊員
- 学会役員等
-
- ・日本救急医学会
- ・日本蘇生学会
- ・日本中毒学会
- ・日本腹部救急学会
- ・日本集中治療学会
- ・日本静脈経腸栄養学会
- 専門・研究分野
-
- ・救急医療

徳田 裕二とくだ ゆうじ
- 出身大学
- 浜松医科大学
- 卒業年
- 2010年
- 専門医等の資格
-
- ・日本救急医学会救急科専門医
- ・日本外科学会外科専門医

浦部 尚吾うらべ しょうご
- 出身大学
- 久留米大学
- 卒業年
- 2014年

向笠 廣太むかさ こうた
- 出身大学
- 琉球大学
- 卒業年
- 2016年

岡本 彩おかもと あや
- 出身大学
- 山口大学
- 卒業年
- 2016年
- 専門医等の資格
-
- ・緩和ケア研修会修了

徳山 尚之とくやま なおゆき
- 出身大学
- 久留米大学
- 卒業年
- 2017年

鬼塚 拡平おにつか こうへい
- 出身大学
- 信州大学
- 卒業年
- 2017年

首藤 俊輝すどう としき
- 出身大学
- 川崎医科大学
- 卒業年
- 2018年

間部 剛章まべ たかあき
- 出身大学
- 久留米大学
- 卒業年
- 2018年