小児循環器内科
診療内容・診療目標
近年の少子高齢化に伴い、小児人口の減少が持続していますが、先天性心臓病の発生頻度は約1%と大きな変動はなく推移しています。また診断・治療技術の進歩に伴い、生命予後が改善され、成人・壮年期に達する方々も年約1万人ずつ増加し、日本中には約50万から60万人に成人先天性心臓病の方が存在しています。その方たちの中には通常の就労や妊娠、出産、育児を行っている方も多いのですが、さまざまな合併症や術後遠隔期の問題に直面されている方も多数存在しています。
当科は、新生児期から乳児・小児・青年・成人・壮年・老年に至るまでのさまざまな先天性心臓病の方々の診療・治療を行っています。その過程を通じて制限はあるものの可能な限りの日常生活、社会生活を過ごしていただけるように診療を行っていくことを目標にしています。
特徴・特色
- 1.成人を含めさまざまな先天性心疾患に対するカテーテル治療
カテーテル治療の中でも特にAmplatzer Septal OccluderやOcclutech Figulla FlexⅡ閉鎖栓を使用した心房中隔欠損症の治療は、久留米大学病院小児科と協力し、九州で最初の認可施設として2006年から開始しています。21年12月末までに3歳の幼児から79歳の高齢者まで幅広く対象とし、533例の治療を行っています。
また、09年よりAmplatzer Duct Occluderを用いた動脈管開存カテーテル治療も開始し、21年12月末までに95例の治療を行っています。その他にコイルによる動脈管開存症閉鎖術、バルーンによる弁狭窄解除術、ステント留置による血管形成術、Vascular plugを用いた血管閉鎖術などに力を注いでいます。カテーテル治療は主にハイブリッド手術室で行っており、より清潔で安全にカテーテル治療が可能になっています。
19年からAmplatzer Duct OccluderⅡ、20年から新生児動脈管閉鎖栓であるAmplatzer Piccolo Occluder、22年からは新しい心房中隔閉鎖デバイスであるGore deviceが使用可能となり、より多くの方々により安全で低侵襲な治療が可能になります。 - 2. 先天性心疾患の方々の術前・術後管理
新生児科・小児科・循環器内科・産科・婦人科・麻酔科・心臓血管外科との協力の下、先天性心疾患の方々の術前・術後管理を行っています。2019年4月より開始された成人先天性心疾患専門医を取得し、年々増加している成人症例に対応するため、16年より循環器内科と協力して、成人先天性心疾患外来を開設し、積極的に成人の方々の診療を行っています。
私たちは疾患を有する子どもたち、手術後の遠隔期の残存症に苦しんでいる成人の方々がより良い生活・人生を送られるよう治療に力を注いでいきたいと思っています。
取り扱う主な疾患
- ●術前・術後の先天性心疾患
- ●治療前・治療後の成人先天性心疾患
- ●川崎病児の心後遺症フォローなどのあらゆる小児心疾患
- ●不整脈、心筋疾患などの後天性疾患・遺伝性心疾患
- ●新生児・乳幼児検診や学校心臓検診などで検査を勧められている方
症例実績
2021年12月末時点で経カテーテル心房中隔欠損症の治療は533例、Amplatzer動脈管閉鎖栓(ADO)を用いた動脈管開存カテーテル治療は95例で、九州内でも有数の症例を治療してきました。
21年はコロナ禍からやや回復していますが、それでも検査や治療ができない時期もありました。カテーテル検査は98例(前年より26例増)でそのうちカテーテル治療は37例(38%)で、全例大きな合併症もなく成功しています。
延べ外来受診者数は16年3013人、17年3071人、18年3100人、19年3080人、20年2776人、21年2878人と新型コロナウイルスの後でやや回復しつつあります。
手術実績
※症例実績をご覧ください。
学会発表・論文など(2021年度)
外来体制
診察ブロック S |
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
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午前 | - |
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- | - |
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- |
午後 | - |
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- | - |
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- |
診察ブロック S |
午前 | 午後 |
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月曜 | - | - |
火曜 |
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水曜 | - | - |
木曜 | - | - |
金曜 |
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土曜 | - | - |
*診療受付時間は8時30分~11時30分まで。診察開始は9時からです。
*完全紹介電話予約制で、新患は事前の予約が必要です。
*北田医師の外来は、手術などの都合によりますので、事前にご相談ください。
*夜間救急は地域医療支援棟1階で受け付けます。
所属医師

小児循環器内科診療部長
家村 素史いえむら もとふみ
- 出身大学
- 久留米大学
- 卒業年
- 1994年
- 所属医局
- 久留米大学小児科学講座
- 学位(取得大学)
- 医学博士(久留米大学)
- 専門医等の資格
-
- ・日本小児科学会小児科専門医
- ・日本小児科学会指導医
- ・日本小児循環器学会小児循環器専門医
- ・福岡県医師会認定総合医(新かかりつけ医)
- ・日本医師会認定健康スポーツ医
- ・日本成人先天性心疾患学会認定専門医
- ・日本先天性心疾患インターベンション学会・日本心血管インターベンション治療学会合同教育委員会認定経皮的動脈管閉鎖術術者
- ・日本先天性心疾患インターベンション学会・日本心血管インターベンション治療学会合同教育委員会認定経皮的心房中隔欠損閉鎖術術者
- ・ACLSプロバイダー
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
- 学会役員等
-
- ・日本川崎病学会 運営委員
- 専門・研究分野
-
- ・小児循環器一般
- ・川崎病
- ・カテーテル治療

津田 恵太郎つだ けいたろう
- 出身大学
- 福岡大学
- 卒業年
- 2015年
- 所属医局
- 久留米大学小児科学講座
- 専門医等の資格
-
- ・緩和ケア研修会修了