核医学診療科
診療内容・診療目標
臨床核医学検査および核医学治療を、院内各科や院外施設からの依頼に基づき、広く行っています。SPECT装置2台とPET装置1台が稼働しています。
心臓関係、脳神経系、腫瘍関連が検査の大半を占めています。2022年からはリンパ管シンチグラフィも実施しています。当院の形成外科は上・下肢のリンパ浮腫に対して、外科的にも意欲的に対応していますが、その術前評価に役立てられています。院外からは、骨シンチグラフィ(前立腺がんや乳がんなどの骨転移検索)や脳血流SPECT(認知症の診断、鑑別)、パーキンソン病やレビー小体病などの診断におけるDaT SCANなどが特に多く依頼されています。
PET-CTは現在、がん診療に欠かせない検査になっていますが、これも院外からの依頼を積極的に受け入れていす。また、聖マリアヘルスケアセンターと共同でPET-CTによる総合がん検診も行っています。がん以外のPET-CTでは、高安病などの大血管炎や心サルコイドーシスの検査も保険収載となりましたので、積極的に受け入れています。
なお、アルツハイマー病の治療薬「レカネマブ:商品名レケンビ」や「ドナネマブ:商品名ケサンラ」が厚生労働省により正式に認可されました。治療が大きく変わると思われます。この薬剤の使用には、脳内へのアミロイドの異常な蓄積を確認することが必須となります。その確認の手段としてアミロイドPET検査が有用です。当診療科でも本検査が導入され、検査を受け入れています。
取り扱う主な疾患
診断面
主な疾患としてPETや骨シンチなどによるがん全般の病期診断、転移・再発診断、脳血管障害、認知症(アルツハイマー病、レビー小体病など)、パーキンソン病などの神経疾患、心筋梗塞や狭心症などの虚血性疾患、バセドウ病や橋本病などの代謝疾患などを取り扱っています。
治療面(内用療法)
放射性医薬品を体内に投入する治療として、ゼバリンによる悪性リンパ腫の放射免疫療法、ヨードによるバセドウ病の治療を行っています。ゾーフィゴによる去勢抵抗性の前立腺がん骨転移の治療も可能です。
症例実績
【2023年度】
一般核医学検査745件(外来496件、入院249件)
PET/CT検査690件(一般診療533件、検診157件)
一般核医学検査内訳(心臓200件、脳263件、骨160件)
【2024年度】
一般核医学検査747件(外来469件、入院278件)
PET/CT検査620件(一般診療503件、検診117件)
一般核医学検査内訳(心臓236件、脳245件、骨164件)
2023年度と2024年度の比較では、一般核医学検査・PET/CT共に大きな変化はありません。2024年7月にPET/CT装置を更新し、アミロイドPET検査を開始しました。
更新日時:2025年7月8日
手術実績
※奨励実績をご覧ください。
外来体制
※外来診療は行っておりません。
所属医師

桂木 誠かつらぎ まこと
- 出身大学
- 九州大学
- 卒業年
- 1978年
- 所属医局
- 九州大学臨床放射線科学分野
- 専門医等の資格
-
- ・日本医学放射線学会放射線診断専門医
- ・日本医学放射線学会研修指導者
- ・日本核医学会核医学専門医
- ・日本核医学PET核医学認定医
- ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
- 学会役員等
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- ・日本核医学会九州地方会評議員
- 専門・研究分野
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- ・臨床核医学診断全般
- ・核医学内用療法