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輸血科

診療内容・診療目標

 輸血は、骨髄抑制のために不可能と思われていた強力な化学療法や、大量の出血が予想されるため断念していた手術、大量の血漿を必要とする血漿交換などの治療を可能にしてきました。しかし輸血にはウイルス感染をはじめとする種々の感染症や、免疫反応など、時には命に関わる副作用があり、患者さんが安全で効果的な輸血を受けるためには、献血から始まって、種々の検査、血液の搬送や保管・管理、副作用の防止や発症時の迅速な対応など多くの体制を整備し、それらを有機的に運営する必要があります。一方、輸血用の血液は全て献血で賄われているため量に限りがあり、さらに高齢化社会の到来で血液の確保は困難な状況になりつつあり、輸血血液の有効利用と適正な輸血の実践が叫ばれています。
 輸血科は、病院全体の輸血医療に関わる種々の業務を一貫して引き受け、安全で効果的で適正な輸血を推進する部門です。さらに輸血に関する情報を各科に提供したり、相談に乗ったり、知識を広めたりして、 安全な輸血と輸血用血液の有効利用をバランスよく実践する部門でもあります。輸血科は、診療支援部門として、臨床検査室と協力し、質の高い輸血医療の実践に取り組んでいます。

取り扱う主な疾患

 聖マリア病院での輸血量は福岡県内で五指に数えられ、輸血を受ける患者さんの数は年間約1300人に上ります。 輸血科では臨床検査室から専従技師2人の派遣を受け、患者さんが安全で効果的な輸血を受けられるように、血液の発注、保管・管理、検査、記録、コンサルテーションなどの輸血業務を24時間体制で行っています。
 また、より安全な輸血を目指して自己血外来を開設し、自己血の採血、調製、保管、患者さんへの処方や採血後の輸液に一貫して対応しています。さらに近年大量出血への止血効果が期待されるクリオプレシピテートの作成、血液疾患(特に悪性リンパ腫)の治療手段の一つである、自家末梢血幹細胞移植へのサポートも行っています。

症例実績

血液製剤使用状況の推移

 過去3年間の血液製剤(赤血球、FFP:新鮮凍結血漿、血小板)の使用状況の推移です。2020年度は血小板の使用量が減った一方で赤血球、FFPの使用量は増加しました。

2020年輸血患者男女別年齢構成

 輸血患者(実数)の年齢構成です。男女とも高齢者の割合が高く、61歳以上の患者が全体の約8割、71歳以上の患者が全体の約6割を占めています。この傾向は年々顕著になってきています。なお21~40歳の年齢層では女性患者数が男性の倍以上になっていますが、これは当院が総合周産期センターであり、輸血を必要とするハイリスクの産科患者が多いためと考えられます。

2020年血液製剤年齢別使用状況

 輸血患者(実数)の年次推移です。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大で待機的手術が控えられましたが、輸血を受けた患者は19年よりもむしろ増加しました。年々輸血患者数は増加傾向にあり、特に61歳以上の患者が増加していることがわかります。

2020年診療科別使用状況:RBC(単位)

 診療科別の赤血球製剤使用量です。内科系では血液内科と消化器内科、外科系では心臓血管外科と外科(消化器・移植・乳腺)の使用量が多くなっています。

2020年診療科別使用状況:FFP(単位)

 診療科別のFFP使用状況です。心臓血管外科および外科(消化器・移植・乳腺)2科で全体の50%以上を占めています。内科系診療科での使用量は多くありません。

2020年診療科別使用状況:血小板(単位)

 診療科別の血小板使用状況です。血液内科での使用が全体の4分の3を占めています。外科系では心臓血管外科での使用が多くなっています。

2020年診療科別使用状況:アルブミン(血漿換算:総使用量10970単位)

 診療科別のアルブミン使用状況です。外科(消化器・移植・乳腺)および救急科で多く使用されています。

2020年診療科別輸血患者数

 診療科別(男女別)の輸血患者実数です。整形外科の女性患者さんでの輸血が多くなっています。当院は高齢の骨折患者さんを多く診療していますが、高齢者はもともと貧血があることが多く、加えて骨折そのものや手術時の出血で輸血が必要になることが多いためです。その他の診療科では消化器内科、血液内科、外科での輸血が多くなっています。産婦人科での輸血のほとんどが周産期の大量出血患者です。

手術実績

※手術実績はありません。

学会発表・論文など(2020年度)

外来体制

※外来診療は行っておりません。

所属医師

鷹野 壽代

中央臨床検査センター長
鷹野 壽代たかの ひさよ

出身大学
九州大学
卒業年
1980年
専門医等の資格
  • ・日本輸血・細胞治療学会認定医
  • ・細胞治療認定管理師制度協議会細胞治療認定管理師
  • ・日本臨床検査医学会臨床検査専門医
  • ・日本臨床検査医学会臨床検査管理医
  • ・厚生労働省認定麻酔科標榜医
学会役員等
  • ・日本輸血・細胞治療学会評議員
  • ・日本輸血・細胞治療学会 九州支部会評議員
  • ・日本自己血輸血学会 評議員
  • ・日本臨床検査医学会 評議員
  • ・日本臨床検査医学会 九州支部会評議員
  • ・福岡県献血推進協議会委員
専門・研究分野
  • ・輸血医学
  • ・輸血管理
  • ・自己血輸血
大﨑 浩一

輸血科診療部長
大﨑 浩一おおさき こういち

出身大学
九州大学
卒業年
1992年
所属医局
九州大学病態修復内科学
学位
医学博士(久留米大学)
専門医等の資格
  • ・日本輸血・細胞治療学会認定医
  • ・日本血液学会血液指導医
  • ・日本血液学会血液専門医
  • ・日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • ・細胞治療認定管理師制度協議会細胞治療認定管理師
  • ・日本内科学会認定内科医
  • ・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ・日本サイコオンコロジー学会コミュニケーション技術研修会修了
  • ・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
  • ・緩和ケアの基本教育に関する指導医研修会修了
  • ・緩和ケア研修会修了
学会役員等
  • ・日本輸血・細胞治療学会 九州支部会評議員

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