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移植外科

診療内容・診療目標

 現在、国内では約34万人の末期腎不全の患者さんがおられ、そのうち90%以上の方が血液透析を選択されています。腎移植は毎年1600人にとどまり、今なお約13000人の方が腎移植を希望されて待っておられます。肝臓に関しては年間55000人の方が肝臓病(末期肝不全、肝がんなど)で亡くなられ、毎年2600人の方が肝移植の適応になると推定されています。それに対して肝移植は生体・脳死肝移植合わせて毎年400例超が行われているにすぎません。
 この筑後地区でも一人でも多くの方に、移植で助かる命があることをご理解いただき、一人でも多くの方が移植医療を通して救われることを願い、2015年7月より当院にて移植外科外来を開始いたしました。そして同年11月より生体腎移植プログラムを開始し、20年7月までに40例の生体腎移植手術を行っております。生体肝移植に関しては、これまで久留米大学での生体肝移植を同プログラム開始当初からお手伝いしてまいりましたので、引き続き久留米大学と連携してまいります。また、生体移植は健康なドナーを傷つけて行う医療である以上移植医療の本道ではなく、あくまで緊急避難的な治療であるという観点から、臓器提供、脳死移植の推進を積極的に行ってまいりたいと思っています。

スタッフ体制

 移植手術や移植後ケアを受けたい方のために、完全予約制の「移植外科外来」を開設しています。担当医は谷口雅彦(月、木)、青柳武史(木、金)で、それぞれ肝移植、腎移植の新患・再来診察を受け付けています。さらにレシピエントコーディネーターとして専従の荒巻和代看護師長と外科病棟の古川みゆき看護師が移植患者さんに対するコーディネーター業務を担当します。受診希望の方は、まずはかかりつけ医にご相談ください。

献腎移植について

 当院は献腎移植が可能な医療機関として認定されており、2019年1月10日より登録受け入れを開始し、20年7月現在20例の登録を実施しております。
 献腎移植は、亡くなられた方から腎臓を提供していただく移植のことです。献腎移植には心臓死からの移植と脳死からの移植があります。献腎移植を受けるには、まず移植が可能な医療機関を受診するなどし「日本臓器移植ネットワーク」に移植希望登録することが必要です。登録方法・費用などの詳細は、こちらのページをご覧ください。

取り扱う主な疾患

腎臓

 対象疾患:IgA腎症、糖尿病性腎症、多発性嚢胞腎、腎硬化症、巣状糸球体硬化症、ループス腎炎、アルポート症候群など、慢性腎不全全般

 腎移植は、腎臓の機能が低下し、透析をしない、あるいは1年以内に透析を導入しないと尿毒症から命の危険が高くなる方が対象となります(具体的にはGFRが15 ml/min以下の方が対象になります)。ただし、腎移植手術が受けられないほどに心肺機能が低下している方、活動性の感染症がある方、治療中の悪性腫瘍がある方などは、基本的に移植の適応外となります。
 年齢は70歳を一応の上限としております。ドナーとなる方と血液型が違っても必ずしも適応外とはなりません。当科の特徴として、血液型不適合移植や夫婦間移植、そして透析を導入する前に移植を行う先行的腎移植を積極的に行っております。
 当科では、亡くなった方から腎臓をいただく献腎移植登録を2019年1月10日より開始し、20年7月現在までに20人の患者さんが献腎移植に登録されています。
 小児腎移植は現在行っておりません。
 当科から他施設への紹介、また他施設で腎移植を行った方の外来診察も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

肝臓

 対象疾患:劇症肝炎、肝硬変、肝がんなど

 当科では肝移植を行っておりませんが、他施設への紹介あるいは他施設で肝移植を行った方の移植後外来診察も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

症例実績

※手術実績をご覧ください。

 

手術実績

 

2021年の生体腎移植件数 計5件



 

延べ生体腎移植件数 計49例

 ドナー手術は用手補助腹腔鏡下手術を標準としています。
 ドナーの術後入院期間は4〜9日(中央値6日)で、Clavien-Dindo分類Grade III以上の重症の合併症はありませんでした。
 レシピエントの術後入院期間は14日(中央値)で、ドナー同様重症の合併症はありませんでした。


 

 血液型は一致が3例、不一致、不適合がそれぞれ1例ずつでした。


 ドナーとレシピエントの関係は、親子2例、夫婦2例、きょうだい1例でした。


 移植前治療は、未透析(透析導入前移植)1例、直前のみ透析施行1例、維持透析3例でした。

学会発表・論文など(2019年度)

 ※外科のページをご覧ください。

外来体制

診察ブロック
A
月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜
午前 - - -
  • ・谷口 雅彦
  • ・青柳 武史
- -
午後
  • ・谷口 雅彦
- - -
  • ・青柳 武史
-
診察ブロック
A
午前 午後
月曜 -
  • ・谷口 雅彦
火曜 - -
水曜 - -
木曜
  • ・谷口 雅彦
  • ・青柳 武史
-
金曜 -
  • ・青柳 武史
土曜 - -

*診療受付時間は8時30分~11時30分まで。診察開始は9時からです。
*完全紹介電話予約制で、新患は事前の予約が必要です。
*北田医師の外来は、手術などの都合によりますので、事前にご相談ください。
*夜間救急は地域医療支援棟1階で受け付けます。

所属医師

谷口 雅彦

聖マリア病院 病院長
移植外科診療部長/ロボット手術センター長
谷口 雅彦たにぐち まさひこ

出身大学
宮崎医科大学
卒業年
1991年
学位(取得大学)
医学博士(北海道大学)
専門医等の資格
・FACS(Fellow of the American College of Surgeons)
・日本外科学会指導医
・日本外科学会外科専門医
・日本消化器外科学会指導医
・日本消化器外科学会消化器外科専門医
・日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
・日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能指導医
・日本移植学会移植認定医
・日本肝臓学会肝臓指導医
・日本肝臓学会肝臓専門医
・日本がん治療認定機構がん治療認定医
・日本病院会病院総合医
・日本医師会認定産業医
・Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeon
・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
・緩和ケア研修会修了
学会役員等
・日本肝胆膵外科学会評議員
・日本臨床外科学会評議員
・久留米大学 外科学講座 臨床教授
・旭川医科大学 外科学講座 客員准教授
専門・研究分野
・肝胆膵外科
・移植外科
青柳 武史

肝胆膵・移植外科診療部長
青柳 武史あおやぎ たけし

出身大学
北海道大学
卒業年
1999年
学位(取得大学)
医学博士(北海道大学)
専門医等の資格
・日本外科学会外科専門医
・日本消化器外科学会消化器外科専門医
・日本消化器外科学会指導医
・日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
・日本腹部救急医学会腹部救急認定医
・日本移植学会移植認定医
・日本臨床腎移植学会腎移植認定医
・Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeon
・医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
・緩和ケア研修会修了
学会役員等
・日本肝胆膵外科学会評議員
専門・研究分野
・消化器外科(肝胆膵外科)
・移植外科(肝・膵・腎)

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